【MLB】田中将大の奪三振率低下に懸念も、脱スプリットで「力の衰え」にあらず
今季も田中将大はヤンキースのエースであることは間違いないが、奪三振率は低下しており相手打線を圧倒している印象は乏しい。しかし、これは投球術の変化ゆえであり、力が低下しているのではない。
2016/06/29
スプリット依存からの脱却
重要なのは、スプリットの球速や落差以上にそれをどのコースに投げているかだ。田中のようなスプリットを持っているなら、ストライクゾーンから外れていくほど低めに投げれば空振りを奪えるはずが、今季はもう少し高めに投げているという。このことは奪三振率に影響を与えているとしている。
また、見落としてはならない点として、ウィニングショットのスプリットに依存していないことが挙げられている。ツーストライクからスプリットを投げる率が低下しているのだ。
これを打者の左右別に見て見ると、昨季まではツーストライクを取ると、左打者には43%、右打者には36%の比率でスプリットを投げていた。ところが今季は左打者には38%と顕著な違いはないが、右打者には22%しか投げていないという。
今季フォーシームよりもシンカーを多用し始めており、スプリットの空振り率が低下しているのは事実だが、これは投げ込むコースの変化によるものだというのがダイアモンド記者の見解だ。一般的には奪三振率の低下は力の衰えと結び付けて考えがちだが、田中にそれは当てはまらないとして、記事を締めくくっている。
出典:”Where have Masahiro Tanaka’s strikeouts gone? ”@ SB nation by Ben Diamond in Jun. 25th 2016