【MLB】イチローの2016年、出塁率の高さと勝負強さ目立つも後半戦が最大の課題。「第4の外野手」がベストか
イチローの2016年の成績を振り返ってみると、ベテランながら、変わらず高いレベルでプレーできていることがわかる。
2016/12/27
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出塁率安定、勝負強さも発揮
300打席&外野守備500イニング以上の95選手のうち、13選手は「出塁率.340以上」「2ケタ本塁打」「盗塁成功率75%以上(試行10度以上)」「DRS+3以上」「UZR+2.0以上」の5項目中4項目以上をクリアしているが、規定打席未満はイチローを含む4選手だけだ。ざっくりとした線引きではあるが、イチローは第4の外野手として、五指に入る成績を残したと言えよう。ちなみに、「打率.270以上」を加えて6項目にすると、5項目以上をクリアしているのは7選手に減り、規定打席未満はイチローしかいなくなる。
また、起用法にかかわらず、イチローの出塁率は安定していた。先発出場と途中出場の打率には.302/.253と開きがあるものの、出塁率はいずれも.340を上回った(358/.341)。途中出場から代打だけ抽出しても、打率は.263ながら、出塁率は.353を残している。しかも、かつて定位置としていた1番打者を務めた158打席では、打率.362&出塁率.427。打率は1番打者として50打席以上の81選手中、ダスティン・ペドロイア(ボストン・レッドソックス)とほぼ同率の2位で、出塁率は最も高かった。
さらに、イチローは勝負強さも発揮した。「得点圏に走者がいる場面」「2死で得点圏に走者がいる場面」「レイト&クロース(7回以降で、1点リードか同点、あるいは走者と自身と次打者がホームインすれば同点となる場面)」のいずれでも、打率.290&出塁率.410以上を記録した。
もっとも、前半戦の打率.335&出塁率.412に対し、後半戦は.245&.291と落ち込んだ。この傾向は今に始まったことではなく、2013年から4シーズン続いている。やはり、2017年も引き続き好成績を残すためには、レギュラーや準レギュラーではなく、第4の外野手としてプレーすることが必要ではないだろうか。2015年は9試合しか欠場せず、打率と出塁率は自己ワーストの.229&.282に終わった。2015年と比べると、2016年の出場は10試合(153試合→143試合)減っただけだが、打席は73(438打席→365打席)、守備イニングは247回2/3(823回→575回1/3)も少なかった。