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ダルビッシュ有の癖は見抜かれていた? KOの要因と世界最大の重圧とは【小宮山悟の眼】

ワールドシリーズが閉幕した。日本人選手2人が所属したロサンゼルス・ドジャースの29年ぶりの世界一を逃した。今回は最終戦の第7戦に先発したダルビッシュ有投手がなぜKOされたのかについて話したい。

2017/11/06

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投球フォームの癖が見抜かれていた?

 ボールの違いを指摘する声もある。すべての投手が「シーズン中とはボールが異なる」と話しているのだから、実際にそうなのだろう。
 
 しかし、対応できている選手がいるのだから、ダルビッシュだけが不運とは言えない。それは本人も悔しい想いをしている部分の一つのはずだ。
 
 もう一つ指摘されているのは、ダルビッシュの投球フォームに癖が出ていたのではないかという点だ。克服したつもりが、知らず知らずのうちに出てしまっていた可能性があるのではないか。
 
 最近の野球界では、癖を見抜くというのは球種の特定をするのではなく、球種を外すという手法を取ってくる。つまり、「こういう癖だとストレートだ」と断定するのではなく、「こういう動きの場合はストレートではない」という消去法で考えるのだ。
 
 ここ数年で、癖を見抜く技術は相当進んでいる。画像を重ね合わせ違いを出すという方法を取っているというのを聞いたことがある。
 
 例えば、ダルビッシュがセットポジションの入る時に、ボールを握る時の動きがゆっくりしているのか、速いのか。グラブの位置が顔に近いのか、身体に近いのか、遠いのか。そういったことを画像を重ね合わせて研究していくと、消せる球種というのが生まれてくるのだ。
 
 ストレートではないと分かれば、変化球系を狙い打つ。反対に変化球はないとなれば、ストレートの狙い打ちが可能になる。そのレベルでの球種の判別が可能になる。
 
 ダルビッシュが今季ドジャースに移った頃、かなり打ち込まれた時期があった。その際、球種が特定されている、癖が出ているという報道が出た。それを受けてワールドチャンピオンを狙っていたアストロズもチェックを始めたのかもしれない。
  
 当時、ダルビッシュ本人が私に「打たれる理由が分かった」と言っていて、シーズン終盤は抑えていたので克服できたとみていたが、大舞台になって癖が出てしまった可能性はある。

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