ブーイングが止まった理由 諦めずに夢を叶えた史上2人目海軍出身メジャーリーガー
5月25日はメモリアル・デー(戦没将兵追悼記念日)だった。この日に一際思いが強かったのは、カージナルスのミッチ・ハリスではないか。海軍士官学校を卒業し、長年の夢だったメジャーリーガーではなく、国のために任務を遂行することを決めた。そして5年間、白球を投げる機会はほとんどなく世界中の海を渡り続けた。それでも夢を諦めず、帰ってきたフィールドで努力を重ね、ついにメジャーの舞台へ。
2015/05/26
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海軍へのリスペクト
プログレッシブ・フィールドのブルペンで登板に向けて待機していたセントルイス・カージナルスのミッチ・ハリスは相手のファンからブーイングを浴びせられていた。だが、彼に対してのブーイングがいきなり止んだ。
ブーイングを浴びせていたファンたちは携帯でハリスの名前を検索し、海軍出身であることを知ったのである。即座にファンらは謝った。ハリスはブーイング後に謝罪をされたのは初めてだと笑顔で話した。
高校で野球をしていたが、 大学やプロから興味を注ぐような声は掛からなかった。そしてある日、ブルペンで投球練習をしていたら海軍士官学校でアメリカンフットボールのコーチを務めていたバディ・グリーン氏が目にして、声を掛けた。ハリスはフットボールに興味はなかったが、海軍には惹かれた。そして海軍のチームで投手として、野球ができることを知り、海軍士官学校の申込書にサインした。
海軍の野球部でプレーをしていくうちに投手としての才能が開花した。92-94マイル(約148-151km)出るようになり、カットボール、スライダー、スプリットを操れるようになっていく。在籍2年目には82回2/3イニングで学校記録の113奪三振を記録した。