MLB全体の年間HRは歴代最多○○○○発ペース!? 4チームが年間最多本塁打記録更新へ
2019/08/21
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MLBでは今季、本塁打数が激増中。このままのペースで本塁打が飛び出せば、2017年に記録された年間最多本塁打数を軽く更新する勢いだ。個人タイトルの争いも激しく、“野球の華”が現代野球の環境を大きく変えつつある。
米データサイト『ベースボールリファレンス』によれば、今季はここまで3750試合が行われ、飛び出した本塁打は実に5274本。昨季4862試合を行って生まれた5585本という数字に、8月半ばにして追いつきそうなハイペースだ。
このペースを保ったままシーズン終了となれば、見込まれる本塁打数は6835本。これは、2017年に記録された6105本の歴代最多記録を大幅に上回る数字で、MLBの長い歴史に新たな1ページが加わることとなる。
1チーム当たりの本塁打数でみると、今季ここまで最多はミネソタ・ツインズで241本。年間試合数で換算すると312本ペースで、昨季ニューヨーク・ヤンキースが記録した267本の歴代最多記録を軽々と上回りそうだ。2位で291本ペースのニューヨーク・メッツだけでなく、4位のヒューストン・アストロズまでもが267本超えのペース。圧倒的な本塁打数の実感が湧くだろうか。
個人の本塁打王争いも激しさを増している。特にナショナル・リーグでは42本のコディ・ベリンジャー外野手(ロサンゼルス・ドジャース)、41本のクリスチャン・イェリッチ外野手(ミルウォーキー・ブリュワーズ)、40本のピーター・アロンゾ内野手(ニューヨーク・メッツ)らが高いレベルの競争を見せている。昨季MVPレースの2人に、ルーキーのアロンゾが食らいつく構図はドラマチックで、ファンを魅了している。
一方のアメリカン・リーグではマイク・トラウト外野手(ロサンゼルス・エンゼルス)が42本で独走中。2位で35本のホルヘ・ソレア外野手(カンザスシティ・ロイヤルズ)を大きく引き離している。
本塁打の激増であおりを食うのは投手たちだ。ア・リーグの平均防御率は2015年の4.01から、今季は4.61。指名打者制のないナ・リーグでも、同期間で3.91から4.46となった。一方、三振数も増え続けており、今季はここまで3万2730個で、年間4万2449個ペース。2015年から3万7446個、3万8982個、4万104個、4万1207個と増加傾向だ。
現代MLBでは、「三振か、ホームランか」という究極の力勝負が主流になった。レベルアップし続ける環境で生き抜いていくために、今日も“超一流”同士の技術と気力のぶつかり合いが続いている。