ヤンキース・田中将大は「不運」だったのか 連続得点試合ストップで黒星。“エース”としての真価とは
2019/09/03
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「水物」と言い難いほどの強力打線が沈黙。得点能力はメジャー屈指だった
では、打線だけで見るとどうか。今季のヤンキース打線は、メジャー新記録となる31試合連続本塁打をマークするなど長打力を存分に発揮している。
MVP候補と目される新加入のD.J.ラメイヒュー内野手、そして主砲アーロン・ジャッジ外野手らを擁しながらチーム打率はリーグ4位の.270、本塁打数は同2位の256、そして得点数が同じく2位の802といずれも高水準をキープし、地区首位快走の原動力といっても過言ではない。
援護点に恵まれず黒星を喫した田中は運がなかったのか。「打線は水物」と言われる。メジャー屈指の攻撃力を持つ打線が、その能力を発揮できない日もあるだろう。そういった面では確かに運がなかった。「仕方のないこと」なのかもしれない。しかし、ヘルマンのように少ない援護点で勝ち星を着実に積み上げる投手もいる。
現在は復帰しているヘルマンの故障による離脱や、未だに故障から復帰できないルイス・セベリーノ投手がいない中で、勝利を宿命づけられた名門ヤンキースの「エース」として君臨し続けている田中。これからもたとえ少ない援護点の中でも、チームの勝利のために右腕を振り続けていくことが必要だ。
そしてメジャーデビューから6年連続で2桁勝利を達成している田中の高いポテンシャルがあれば、その奮闘は「不運」と呼ばれるものも跳ね返し、自らの勝ち星とチームの勝利、世界一に繋がっていくはずだ。