イチローが現役引退を表明、大谷翔平は打者に専念――日本人野手のメジャー挑戦を振り返る【2019年編】
2020/08/06
Getty Images
現役引退を表明したイチロー
メジャー19年目を迎えたイチローは、遂にその現役生活にピリオドを打った。
2018年シーズン途中にマリナーズのスペシャルアシスタントアドバイザー(会長付特別補佐)に就任したイチロー。オフにマリナーズと選手契約を交わし、日本で行われるオークランド・アスレチックスとの開幕2連戦に向けて、開幕ロースター入りを果たした。
3月20日の開幕戦では、「9番・右翼」でスタメン出場。第1打席は二飛、第2打席では四球を選ぶと、直後の4回の守備からベンチに退き、開幕戦は1打数無安打1四球という結果になった。
21日の2戦目には、同じく「9番・右翼」でスタメン出場。同年にチームメイトとなった菊池雄星と最初で最後の共演を果たした。試合序盤に現役引退の一報が入り、異様な雰囲気に包まれた同試合は、第1打席に三邪飛、第2打席に二ゴロ、第3打席に見逃し三振、現役最後の打席となった8回の第4打席は惜しくも遊ゴロに倒れ、4打数無安打となった。9回の守備では一度右翼の守備位置に付いた後に交代。スタンディングオベーションの中ベンチに戻り、チームメイト1人1人と抱擁を交わしてグラウンドを後にした。
試合はマリナーズが5-4で勝利を収め、引退の花道を飾った。対戦相手は奇しくもメジャーデビュー戦と同じアスレチックス相手となった。
イチローはメジャー19年間で2653試合に出場し、打率.311、3089安打、117本塁打、780打点、509盗塁、OPS.757。MVP、新人王、首位打者、ゴールデングラブ賞、シルバースラッガー賞など数々のタイトルを受賞し、長いメジャーリーグの歴史に大きく名を刻んだ。最後まで記憶と記録に残る活躍を続け、伝説となったイチロー。日米通算28年間を数えた現役生活の幕を下ろした。
年度別一覧に戻る