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苦境に立つバレンティンとブランコ。復活の証明へ、スラッガー2人が挑む通算200号

日本球界で実績を残した2人の外国人スラッガーが今季、復活に燃えている。ヤクルトのウラディミール・バレンティンとオリックスのトニ・ブランコだ。

2016/02/08

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13年のバレンティンの本塁打率は歴代トップ。フル出場なら何本打つ?

 バレンティンは沖縄の浦添で2年ぶりの春季キャンプに臨んでいる。13年に日本新記録となる60本塁打を放った大砲も、昨年は左アキレス腱を手術した影響で不参加に終わり、シーズンもわずか15試合で1本塁打という寂しい成績に終わった。
 
 元々、怪我で離脱することが多い。シーズンで最も多く試合に出場したのが11年で、この年31本塁打を放ち、来日1年目で本塁打王のタイトルを獲得している。
 翌年の12年も怪我の影響で106試合の出場に終わったが、31本塁打を放ち2年連続で本塁打王となる。規定打席に到達せずにタイトル獲得となり、これは2リーグ制以降で初めてのことであった。
 
 打数の少ない年がありながら、11~13年にかけて3年連続で本塁打王になっている。バレンティンの日本での5年間の本塁打数と本塁打率は以下の通りだ。
 
2011年 140試合 486打数 31本塁打 本塁打率15.68
2012年 106試合 353打数 31本塁打 本塁打率11.39
2013年 130試合 439打数 60本塁打 本塁打率7.32
2014年 112試合 366打数 31本塁打 本塁打率11.81
2015年 15試合 43打数 1本塁打 本塁打率43.00
 
 日本での5年間の通算成績は1687打数で154本塁打を放ち、本塁打率は10.95となる。本塁打率とは打数÷本塁打で計算し、出された数字は本塁打を1本打つのに要した打数を示す。つまり、数字が低ければ低いほどいいということになる。
 
 シーズン60発を放った13年の本塁打率は7.32をマークした。これは、王貞治が1974年に385打数で49本塁打を放ち記録した7.86を抜き、日本のプロ野球シーズン1位の記録である。
 
 バレンティンと王は規定打席到達者の中で唯一「7.00」台の記録を打ち立てた。ちなみに規定打席に到達していない選手でいうと、88年のシーズン途中に中日から近鉄に移籍したラルフ・ブライアントがそうだ。この年267打数で34本塁打を放ち、7.85という記録をたたき出している。
 
 日本人右打者のトップは、86年にロッテ時代の落合博満が417打数で50本塁打を放ち、8.34という記録を達成している。
 
 バレンティンは今季あと46本に迫った通算200号本塁打を目標に定めているが、完全復活を遂げれば不可能な数字ではない。昨季はチームが14年ぶりの優勝を果たしたものの、レギュラーシーズンの終盤、クライマックスシリーズ、日本シリーズでも本来の実力を出すことができなかった。
 
 今季は契約最終年となる。
 大きな故障もなくシーズンを乗り切ることができれば、自ずと結果はついてくるはずだ。フル出場すればどれだけの数の放物線を描けるのか、今季は万全な状態のバレンティンを見てみたい。

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