「入念な準備」「捕手としての心配り」2年目のロッテ・寺嶋が見せた確かな成長【マリーンズ浦和ファーム通信#14】
2年目をマリーンズの寺嶋寛大は、福澤洋一バッテリコーチの指導の下で着実に捕手として成長し続けている。
2016/03/04
千葉ロッテマリーンズ
福澤コーチの教えが着実に浸透
二人で徹底的に話し合った。どういうリードをしてほしいか。どんな球種を、どのような場面で使ってほしいか。いろいろなことを細々と確認をした。話し合いは熱を帯びた。練習を終えた後の寮での出来事。寺嶋寛大捕手と二木康太投手のバッテリーが時間をかけてじっくりと話し合う姿があった。
「福澤バッテリコーチから、ずっと『準備が大事』と言われ続けていますから。せっかく同じ寮生で一番近くにいるのだから、しっかりピッチングの考え方を聞いておこうと思いました。当日にバタバタと聞いたら、遅い。前日に聞いたら、寝るまでの時間、明日のリードを考えることができる。入念にいろいろなことを聞きました」
翌3月2日、ロッテ浦和球場で行われたイースタン春季教育リーグ・スワローズ戦。
前夜の熱い議論を踏まえ寺嶋はマスクを被った。先発をした二木は5回2安打5奪三振、無失点の好投を見せた。右左関係なく、すべての打者にインコースを突き、時にフォークを織り交ぜるスタイルで相手を翻弄した。それは二人で考えた作戦そのものだった。
「予定通りにまんべんなくインコースを使えたのは良かったです。ただ、きょうはリードではない。二木が本当に成長している。コントロールもよくなったし、ボール自体も強くなった。なによりもインコースをしっかりと突くことができる。今年に賭ける強い想いが伝わってきましたよ」
試合を終えた寺嶋はボールを受けた感触の残るミットを磨きながら、充実した表情で振り返った。
そしてベンチで見守っていた福澤洋一バッテリコーチも入念な準備が生み出した結果に目を細めた。ルーキーイヤーの昨年から徹底的に指導をしている。それは技術論から一日の過ごし方、考え方にまで及んだ。その成果が少しずつ、実になりつつある。