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「入念な準備」「捕手としての心配り」2年目のロッテ・寺嶋が見せた確かな成長【マリーンズ浦和ファーム通信#14】

2年目をマリーンズの寺嶋寛大は、福澤洋一バッテリコーチの指導の下で着実に捕手として成長し続けている。

2016/03/04

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千葉ロッテマリーンズ



捕手に必要な心配り

 グラウンドでの練習中。走塁練習のため二塁ベース上に立っていた寺嶋はとっさに、二、三歩、横にずれた。自分がそこに立っていることで、打撃練習をしている打者が、投手の投じるボールが見にくいのではないかというちょっとした配慮からだった。その姿を遠くで見ていた福澤コーチが、つぶやいた。
 
「ほら、ああいう心配り。あれが捕手には大事なんだよ。視野を広く持って、周りがどう考えているか、なにをしてあげたらいいかと、いつもアンテナを張り巡らせることが大事なんだ。そういうところが成長したとボクは思う」
 
 愛弟子のそんななにげない動作に満面の笑みを浮かべた。
 寺嶋は言う。
 
「まだまだ信頼がない。二軍で試合に出る機会を増やして、ピッチャー全員とコミュニケーションをとって、信頼を勝ち取りたい。そして一軍を目指したい」。
 
 昨年は二軍で54試合に出場し、打率.230、2本塁打、8打点。今年は女房役として成長し、得意の打撃にも磨きをかけ悲願の一軍デビューを狙う。福澤コーチもそれを後押しをする。
 
「今は100点の時もあるけど、0点の時もある。そうすると平均で50点になってしまう。成長はしているけど、まだまだかな」
 
 ロッテ浦和球場、寺嶋は今日も必死に汗を流す。それを優しく見守り、しっかりとバックアップしているコーチの姿がある。

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