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阪神・鳥谷敬限界説にNO! 打順が何番であろうと先発起用し続けるべき【小宮山悟の眼】

今季、阪神の鳥谷敬の調子が上がってこない。攻守にわたり精彩に欠く場面も見受けられメディアで厳しい指摘も受けているようだが、まだまだ活躍できる。

2016/06/03

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守備の衰えはエラーの数だけ評価できない

 一部のメディアでは、年齢による限界説まで囁かれているようだが、私はそうは思わない。
 もちろん、衰えが全くないといえば嘘になる。守備に関して、多少、肩が弱くなったため、守備位置を前にとらざるを得なくなり、結果として守備範囲が狭くなってきているのは確かだ。しかし、それでも十分に一軍レベルはキープしている。

 それに、エラーの数だけで能力の低下を論じるのは、かなり乱暴だと思う。
 ギリギリの打球にどこまでチャレンジするか。つまり、打球を最後まで追いかけるかどうかで、守備率は大きく変わってくる。無難な守備に徹すれば、エラーの数はかなり抑えられるのだ。

 私は現役時代、ショート小坂誠の守備力に大きく助けられた。

 小坂は当時、名手と呼ばれていたが、実は決してエラーの数が少なかったわけではない。どんな打球にも食らいつき、無理な体勢でも捕球したため、グラブからボールがこぼれる回数も多かったわけだ。もちろん、その分、ヒット性の当たりを放った打者を何度もファーストで刺してくれた。投手として、本当に頼りになる存在だった。守備率だけでは、内野手の本当の能力は測れない。

 鳥谷にはまだ、タイガースのリーダーとして活躍する力がある。

 タイトルを獲得するような、びっくりする数字を残すのは難しいかもしれないが、一流打者の証である打率3割のラインならば十分、狙えるだろう。

 老け込むにはまだ早い。これからの巻き返しを大いに期待している。

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小宮山悟(こみやま・さとる)

1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家、Jリーグの理事も務める。

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