中日、来季への光は「活気を取り戻したファーム」。小笠原二軍監督が伝え続けた『勝利への意識』
谷繁監督の休養が発表されるなど、苦しいシーズンとなった中日ドラゴンズ。しかし来季に光を見出すとするならば、今季夏場までホークスと優勝争いをし2位が確定したファームの存在だ。
2016/09/24
グランドスラム
2011年以来の勝ち越しで2位
9月22日のウエスタンリーグ広島戦は雨天中止。再試合は行われない取り決めになっているため、中日ドラゴンズのファームは、今季の日程をすべて終えた。実に20試合が中止となり、111試合で61勝43敗7引き分けの2位が確定。17日には福岡ソフトバンクに5連覇の胴上げを目の前で見せつけられたが、一時は首位を走るなど、ファーム日本選手権を制し、一軍とアベック優勝を果たした2011年以来の勝ち越しである。
「小笠原(道大)監督の野球は、見ていて『面白い』というエキサイティングな感じじゃないけれど、終わったら勝っている。落合(博満)さんが監督の時と似ているかな」
ナゴヤ球場に度々足を運ぶという男性ファンは、「今年はナゴヤドームよりも、こっちのほうが楽しかった」と笑顔を見せながら、ファームへの期待を口にした。
小笠原監督が率いるファームの充実は、春季キャンプの頃から話題になっていた。常に緊張感が漂い、全体練習が終わったあとも、若手が我先にと個人練習に打ち込む。視察に訪れた他球団のスタッフが「北谷(一軍)と読谷(ファーム)で紅白戦をやったら、読谷が勝つんじゃないか」と目を丸くしたように、ウエスタンリーグが開幕すると順調に白星を積み重ねる。
実戦でも、ミスを叱責するのではなく、失敗した原因を考えさせながらチャンスを与える方針で、選手たちはのびのびとプレーする。そうした中で、勝ちグセをつけていったのが大きかった。