急転直下で金子残留発表! イブの夜にみんなの想いが届く!~これからも、ひとつに。~【どら増田のオリ熱コラム #4】
国内FA権を行使し、去就が注目されていたオリックスのエース、金子千尋が残留を発表した。今オフに大補強を敢行、そしてエースの残留。これでオリックスは来季に向けて盤石の体制を築いたといえるのではないだろうか。
2014/12/25
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紆余曲折、金子の行く末は……
今年の5月31日、京セラドーム大阪で行われた巨人戦。金子は9回表までジャイアンツ打線をノーヒットに抑えて、ノーヒッターの権利を持ったまま9回裏の味方打線に託した。 しかしオリックス打線はこういう場面に滅法弱い。それは、今年優勝できなかった最大の原因と言っても過言ではない。9回裏を無得点で終えた瞬間、テレビカメラはベンチの金子の表情をとらえる。これを見た瞬間、私は覚悟を決めた。
金子が「出ていく」と言っても誰も止められない、と。
その後、チームはオールスター戦をリーグ首位で迎えるなど、強敵ソフトバンクを相手に奇跡的な首位争いを10月まで繰り広げた。優勝までは半勝足りず、日本シリーズへの出場権利は、クライマックスシリーズファーストステージで2008年と同じく、3位の日本ハムに敗れたことでついえた。
オリックスの終戦が決まり、今年はFA権を取得した選手が多かったこともあり、ファンは戦々恐々としていた。
「今年あと半勝で優勝できたのだから、来年は絶対優勝したい」
これはオリックス・バファローズを愛している全ての人が心の何処かには持っているであろう想いだ。平野佳寿、馬原、坂口とFA権取得者が来季のリベンジを掲げて次々に残留表明をして行く中、金子だけは態度を明らかにしなかった。
結局、行使期限ギリギリとなる日米野球開幕前日に国内FA権を行使。金子自身にメジャー志向があることもメディアを通じて伝えられた。
私はこれまでオリックスのエースとしての務めを一人で全うしてくれた金子自身がベストだと思う選択をしてくれたらいいという気持ちを抱きながら、東京ドームで行われた日米野球第2戦の金子と伊藤光のバッテリーを目に焼き付けに行く。もうしばらく金子を生で見られなくなるかもしれない……。というのも私の中では国内他球団の移籍という予測は全くなく、ポステイングシステムを利用するためのFA宣言としか思えなかったからだ。
しかし事態は急展開することになる。
先月24日に京セラドームで開催されたファンフェスタ終了後、記者に囲まれた金子は「今オフのポステイングシステムを利用したメジャー挑戦はしない」ことを明らかにすると、翌日には右肘の遊離軟骨除去手術を受けることを発表。「日本のプロ野球を盛り上げたい気持ち」とメジャー移籍断念の理由として語っていたが、怪我には厳しいMLBが軽傷とはいえ、右肘の手術を受けなければならない金子を今オフに獲得することはないと判断した代理人の意向なのではないだろうか。
「開幕には間に合う」と手術前後に金子がコメントを出しているが、結果的にこの手術により撤退した国内球団もあったのではないだろうか。最終的に〝金子獲り〟に乗り出したことが表面化した他球団は、中村勝広GMの面目をかけてでも欲しかった阪神と、楽天、中日の三球団のみ。前回のコラムでも触れたように、特に阪神の本気度はすさまじいものがあった。