史上初を狙う大谷、世界記録がかかる山本昌……2015年シーズンに達成が予想される『大記録』(投手編)
もう1カ月もすればキャンプが始まり、あっという間に開幕を迎える。そこで年明けということで、2015年シーズンに達成が予想される大記録についてまとめてみた。今回は投手編だ。
2015/01/02
大谷、山本昌にかかる〝歴史的偉業〟
また、日本最速に挑むのが日本ハムの二刀流・大谷翔平だ。昨シーズン、大谷は10月5日の楽天戦でプロ野球公式戦最速タイ記録となる162キロをマーク。プロ野球最速の162キロは2008年にマーク・クルーン(巨人)が記録していたが、日本人投手として初めて。そして今季、前人未踏の163キロに挑むというわけだ。解説者の与田剛氏は次のように語る。
「体もまだまだ大きくなっていますし、投げるたびにボールのスピード、精度が良くなっている。遅かれ早かれ、163キロは間違いなく達成すると思います」
大谷自身も日本記録には自信をのぞかせており、「いい状態で投げることができれば、(日本最速記録更新も)十分可能だと思う」と語っている。
二刀流の大谷に関しては、他にもいろいろな記録達成への期待がかかる。昨シーズン、ベーブ・ルース以来となる「2ケタ勝利&2ケタ本塁打」を達成したが、2年連続となると史上初の快挙となる。
そしてもうひとつ期待したいのが、「規定投球回&規定打席」の同時クリアだ。日本プロ野球史上、このふたつを同時にクリアしたのは、2リーグ制以降では1950年の野口二郎(阪急)ただひとり。大谷も二刀流の位置づけとして「規定投球回と規定打席を両方クリアすること」と語っており、史上2人目の快挙に期待が高まる。
そして最後に、忘れてはならないのが、最後の200勝投手・山本昌だ。昨シーズン、9月5日の阪神戦で「9番・投手」として先発した49歳の山本昌は、次々と日本記録を樹立していった。
まずは、1950年に浜崎真二(阪急)が48歳10カ月で記録した先発出場、出場、先発登板、登板の4つの記録を更新。また、初回二死一塁からゴメスを134キロのストレートで見逃し三振に仕留め、1950年に浜崎が48歳10カ月で達成した奪三振の記録を64年ぶりに塗り替えた。
打撃では、3回二死で迎えた第1打席で、こちらも1950年に浜崎が持っていた最年長打席記録を破り更新。安打が出れば最年長記録が更新されるところだったが、遊ゴロに倒れ、こちらは持ち越しとなった。
山本昌は5回無失点でマウンドを下りたが、後続の投手もきっちり締め勝利投手に。この瞬間、49歳の最年長先発勝利と勝利記録を達成。もちろん今季も、投げるたびに自身の記録を更新していくのは間違いない。
この山本昌が次に狙うのは、世界記録だ。世界最年長勝利はマリナーズなどで活躍したジェイミー・モイヤーが2012年に記録した49歳5カ月。今年8月で50歳を迎える山本昌。球界のレジェンドが目指すのは、世界一だ。