登録名変更の楽天・今江、来年の成績は上昇? 過去にはイチロー、石井らが成功
心機一転で登録名や背番号を変更して、新しいシーズンに臨む選手がいる。ロッテで活躍し、今季FAで楽天に移籍した今江敏晃は、来季から今江年晶に変更する。
2016/11/25
成功者には200安打のイチロー、球団初Vと首位打者を手にした山本浩二ら
東北楽天ゴールデンイーグルスの今江敏晃が、来季から登録名を「今江年晶」に変更する。
昨オフ、慣れ親しんだ千葉ロッテマリーンズから楽天にFA移籍した今江。今季は89試合に出場し、打率.281、3本塁打、23打点という成績に終わった。05年~14年まで毎年100試合以上出場してきたが、昨季と今季は死球による怪我の影響で100試合を切ってしまった。
ロッテ時代には、持ち味の勝負強さで日本シリーズMVP(05年、10年)に2度輝いた経験を持つ。今季は通算1500安打を達成し、プロ16年目の来季は「年晶」で再出発を図る。
今江だけでなく、球界では登録名を変える選手は過去にも多く存在した。ここでは主に名前の部分を変更した選手を取り上げたい(金子千尋や炭谷銀仁朗などの例は除外)。
成功組の筆頭といえば、現在メジャーリーグのマーリンズで活躍するイチローだ。オリックス時代の94年に本名の鈴木一朗からイチローへと登録名を変更。プロ2年間で1軍に定着できずにいた選手が、3年目(登録名変更1年目)にしてプロ野球史上最速の122試合目での200安打を達成。
イチローは最終的にはシーズン210安打を放ち、当時のプロ野球新記録を樹立した。打率も.385というハイアベレージを挙げて初の首位打者に輝き、前年の.188から大躍進を遂げた。
88年ドラフト外で横浜大洋ホエールズに入団した石井琢朗は、当時は投手で本名の「石井忠徳」だった。野手へ転向した92年から「石井琢朗」へと登録名を変更。打者転向1年目ながら69試合に出場して打率.269、3本塁打、23打点と、今後の活躍を期待させる成績を残した。
その後、打者として開花した石井は、98年、01年に最多安打のタイトルを獲得。通算安打数は2432本を誇る。脚力も魅力で、93年と、98~00年の3年連続で盗塁王にも輝いている。
石井琢朗やイチローよりも前に改名して成功を収めた選手が、山本浩二だ。プロ6年目の74年まで本名の「山本浩司」でプレーしていたが、同年オフに姓名判断の結果、勝負事に向いているとされ「山本浩二」に登録名を変更。
登録名変更した1年目は成績が飛躍。打率.319で初の首位打者に輝き、30本塁打、84打点。盗塁数は24個を記録し、トリプルスリーまで盗塁6個と迫る活躍で、初のMVPも獲得している。
この年、広島東洋カープは球団初のリーグ優勝を飾り、「山本浩二」は個人成績だけでなく、チームの主砲としても最高のシーズンを送った。“ミスター赤ヘル”の称号はこのとき誕生した。
他にも名前の部分の登録名を変更して、活躍を収めた選手はいる。
ロッテでプレーする井口忠仁は、「井口資仁」に登録名を変更した01年に44盗塁をマークして初の盗塁王を獲得。打率.261、30本塁打、97打点という成績を残した。
また、今オフ日本ハムからFA宣言した陽仲壽は「陽岱鋼」と09年オフに本名を変更。翌10年に109試合に出場し、キャリア初の100試合超えを果たした。
中日の川井進は09年に「川井雄太」となり、20試合に登板して11勝(5敗)という成績を挙げた。これまでわずか1勝だった左腕が、大きな飛躍を遂げた1年となった。