2017年で見納め? 2016年もすごかった! 編集部が選ぶ、大谷翔平10大ニュース
2016年を10大ニュースで振り返るシリーズ。怪物・大谷翔平の2016年の一挙手一投足をトピックスとともに紹介する。
2016/12/29
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文句なし! リーグMVP。来年オフにメジャー移籍か?
■5試合連続本塁打!
あの頃は本当に神がかっていた。
広島・鈴木誠也にまつわるあの言葉を出すまでもなく、このときの大谷翔平は打者として手が付けられなかった。右に左に本塁打を量産。右投げ左打ちのホームランバッターが逆方向へのホームランが打てるようになるには時間を要する。横浜DeNAベイスターズの筒香嘉智はあの手この手で技術を習得して果たせるようになったのに、大谷は二刀流をしながら身に付けていったのだから末恐ろしい。
5月4日~17日にかけて5試合連続本塁打(投手として打席に立っていない試合は除く)。このときの内訳は左に3本、右に1本、中1本。凄いというしかない!
■マメで途中降板……これがなければ規定投球回もクリアしていた!?
7月10日のロッテ戦に先発した大谷をアクシデントが襲った。
7回表1死1塁、田村龍弘を迎えたところで、何やら異常を訴えた。
右手中指のマメがつぶれて降板を申し出たのである。
投手にとって手にマメができやすいかどうかは死活問題だ。一説によれば体質とも言われるが、ケアをすればマメは回避できるとの声もある。手の皮が湿気を含むとマメができやすく、潰れてしまうと災難だ。
なかには、お風呂に利き腕を付けない投手もいるほどで、非常にデリケートに対処しなければならない。夏場に蒸しやすい西武プリンスドームでは登板後にベンチに帰って、扇風機に指をあてている投手が見られるのも、マメ対策である。
マメができた際に、一番、ケアしなければいけないのが、その程度をどこでとどめるかだ。
マメができただけではそれほど問題ではなく、先発投手であれば、ローテーションの間に修復が可能だ。ロッテの石川によれば、「血マメの場合が多いので、血を抜いてしまえば大体は上手くいく」とのことである。また、選手によれば、マメができると早期の降板を申し出る選手もいる。
一番最悪なのは、マメがつぶれて、皮膚がずる剥けてしまうことだ。
この際の大谷のケースはおそらくその最悪だったのだろう。
マメが潰れてしまった際は、1週間では治すことはできない。事実、大谷はこの後、投手として長期離脱を余儀なくされている。
このアクシデントがなかったら、大谷は少なくとも規定投球回はクリアしていたはずだが、今季、大谷にまつわる数少ないマイナスのニュースだろう。とはいえ、この離脱があったから、打者に専念できたし、肩やひじを休めることができたという見方もある。
ちなみにBBCではこのニュースのあと、マメに関するコラムを配信。読者からの反響もなかなか良かった。大谷に感謝!
■文句なし! パリーグMVPに選出
ほぼ満票に近い票数を集め、大谷翔平が2016年パリーグのMVPに輝いた。
ベストナイン投票とは違って、これには異論はない。
投手としては10勝を挙げるなど終盤戦での好投が光った。打撃面では、4番の中田翔が不調に陥る時期もあり、彼を助ける余りある活躍を見せた。
投手だけならセットアッパーとして58試合に登板し42HPを挙げた宮西尚生の貢献度も大きかったが、投打両方で、一定の水準の成績を残せたのだから、文句はない。
かつてのイチローや野茂英雄がMVPを獲得したときと同じようなインパクトを残したといえる。「日本を代表する選手」の域を超え、「日本の野球の歴史を変えうる」存在。それが大谷だ!
■早ければ、来年オフにポスティングシステムでメジャー移籍へ
契約更改でそのニュースは発表された。
日本ハムが大谷翔平の来オフ以降のメジャー挑戦を容認したというのである。
移籍するとなれば、ポスティングにかけられるわけだが、1年も前にしたこの時期の発表には少々驚いた。
ポスティングの現行のルールでは金額の上限が決まっている。
果たして、大谷という売り物をどれくらいの価値で売るかは非常に重要だろう。とはいえ過去の選手と比較して大谷がいかにすごいかを報じたいわけではない。チームにあと数年いても、たくさんの収入をもたらすであろうから、日本ハム側としても、高く売るべきである。
しかしMLBの新協定によって、大谷の年齢やプロでの所属年数から、契約金は低く抑えられ、マイナー契約しかできないなどの制限がつくといわれる。今後は日米間のポスティングシステム改正の動きがあるのか、注目したい。
大谷が花巻東からメジャーを目指すといった高校時代にも、そのようなルールがあると騒がれたのを記憶している。今回こそ、大谷にとって、非常に重要となるだけに、上手く事が運ぶことを願いたい。
メジャーには1日でも早く行くべきだし、容認した日本ハムにもそれだけの恩恵を受けていいはずだ。もう一つの“大谷ルール”の完成を待ちたい!
■ダルビッシュに並ぶ来季年俸
その契約更改に際し、日本ハムが大谷の来季年俸に提示した金額は、2億7000万だと言われている。あくまで報道に関する限りを参考にしているが、高卒4年目を終えてのこの年俸はダルビッシュに並ぶ快挙だという。
ダルビッシュは日本ハム時代、入団直後の喫煙事件など多少なりとも躓きがあった。
一方の大谷は順風満帆に成長を積み重ねてきての来季の年俸だから、中身がかなり違う。
以上、大谷の10大ニュースを振り返った。
来オフで本当に大谷がメジャー挑戦をするとしたら、彼を日本で見ることが出来るのは来年が最後になる。
日本最終年に彼は何を起こすのか。
花巻東高時代に、「メジャー挑戦をしたい」と記者会見をしたときの大谷の意志の強い眼を、この5年間で見ることはなかったが、ややもすると、来年の彼はそれほどの強い意志でシーズンに臨んできてくれるかもしれない。
目標が高ければ高いほど、意欲を燃やす大谷翔平の2016年は、果たして、どんな驚愕ストーリーとなるのだろうか。