WBCでも「圧倒」を目指す菅野智之。大谷へのライバル心が世界一奪回のカギ
2015年のプレミア12で、期待されながらもインパクトを残すことができなかった巨人・菅野。負けん気の強い菅野が大谷をライバル視することで、チームに大きな相乗効果が生まれるのではないだろうか。
2017/01/25
2ケタ逃すも二冠
いよいよ運命の第4回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が近づいてきた。開幕まで残り約6週間。日本代表・侍ジャパンが目指すべき目標は2大会ぶりの世界一奪回しかない。
日の丸を背負う侍メンバーの中心選手として最も期待がかけられているのは、何と言っても二刀流・大谷翔平(北海道日本ハムファイターズ)だろう。投打両面の活躍でチームを世界の頂点に導き、2017年シーズン終了後にも実現しそうなメジャーリーグ移籍に弾みをつけられるかが大きな注目ポイントとなっている。日本だけでなく、米国のメジャー関係者やメディアの間でも「ショウヘイ・オオタニ」は大会開催前から早くも話題の的だ。
しかし、その裏側において虎視眈々と目を光らせながら、自らの活躍で大谷から大会主役の座を奪い取ろうと燃えに燃えている男がいる。読売ジャイアンツのエース・菅野智之だ。次のWBCでは、この大谷とともに侍ジャパンのWエースとして小久保裕紀監督から重職を任されることが確実。
だが現段階ではどうしても、大谷ばかりにスポットライトが当てられっ放しだ。たいへん残念なことに同じWエースの一角であるはずの菅野の話題は大谷と比較するとメディアの間でも、あまり大きく取り上げられていない。
それでも菅野の心は腐るどころか、やる気に満ちあふれている。2017年シーズンでプロ5年目を迎える右腕は、今度のWBCをここまで培ってきた野球人生の一つの集大成ととらえているからだ。それが証拠に昨季は自らのテーマとして「圧倒」を掲げてきた。ただ単に投げ勝つだけではなく力でねじ伏せ、相手を制圧できるような投球内容をマウンドで残すことを心がける――。そう言い聞かせ、昨季はしっかりと答えを出した。