プロ15年目・内川聖一は『努力の男』――右打者史上初の8年連続打率3割へ挑む
プロ15年目を迎える内川聖一は、今年も万全のようだ。前人未到の快挙へ、そしてホークスの連覇へ――この男のバットに期待がかかる。
2015/01/25
極論を言えば、10割を目指す
自主トレも終盤に差し掛かった頃、その左手には積み重ねた練習の痕がしっかりと見てとれた。バットを振り込んでできたマメの皮が剥がれかかっており、何とも痛々しい。「まだまだ!」と本人はさらりと笑ってのける。8年連続打率3割を目指す好打者であっても、1月にこれだけのことをしているのだ。いや、これだけのことをしているからこそ成績を残してきた、とも言い換えられる。
ホークスに移籍しての過去4年間の成績を振り返ってみる。2014年は打率.307、150安打、2013年は打率.316、180安打、2012年は打率.300、157安打、2011年は打率.338、145安打。何とも頼もしい数字だ。それでも内川はこう話す。
「年間600打席あるとして、そのうち納得のいくヒットなんて数えるほどしかない。打ち損なってもヒットになる。だから3割打つことができる」
完璧な捉え方ができなくとも、結果を出す。それだけの技術を身につけてきた。「3割を目標にして3割を打ったことはない」と話すように、極論を言えば10割を目指す。
今年で33歳を迎えるヒットマンは「この歳になると、若い頃とは体も変わってくるからねぇ」と念入りにストレッチをする。プロ15年目、『努力の男』が右打者史上初の8年連続打率3割達成へ着々と準備を進めている。