愛嬌あるエスコバー、『ビミョーな外国人』脱却への期待【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#51】
今季ファイターズに加入した新外国人選手、エドウィン・エスコバー。試合によって投球内容にムラがあるが、まずは「負け試合のロングリリーフ」で結果を残し続けたい。
2017/05/21
チャンスをつかみに日本へ
今回はエスコバーで行く。この世の中にエスコバーに関するコラムを読みたい人が何人いるのかわからない。たぶんあんまりいないことは確かだ。ファイターズファンも「ハルタク」(西川遥輝、中島卓也)の記事にしてくれないかなぁ、だと思う。
それでも今、自分はエスコバー気分なのだ。このところ何かぼんやりしているとエスコバーのことを考えている。いや、本当を言うとあまり考えてないが、何かの拍子で思い出しては笑ってしまう。ワカモノ風の言葉でいえば「じわる」のだ。
コラム読者はファイターズファンとは限らないから説明するが、エスコバーは主力投手ではない。エドウィン・エスコバー、25歳。背番号42。今季契約したベネズエラ人左腕だ。2008年、テキサス・レンジャースとマイナー契約、09年、ルーキーリーグでデビューし、10年サンフランシスコ・ジャンアンツ傘下へ移籍したのを皮切りにマイナーリーグを転々とする。14年はメジャーに昇格してボストン・レッドソックスで2試合、16年にはアリゾナ・ダイヤモンドバックスで25試合登板している。MLB通算成績は1勝2敗4ホールド(防御率7.01)。まぁ、チャンスを求めてNPBの門を叩いたクチだ。
150キロ近いストレートはアリゾナキャンプで話題になった。フォームも後ろが小さくビュンと来る感じで、タイミングが取りにくい。実戦向きではないかという評価だった。ファイターズはトレードで吉川光夫を失っており、左腕の駒不足が懸念された。加藤貴之に続く「左腕の先発候補」は上原健太なのかエスコバーなのか。開幕前の時点では上原が一歩リードだったと思う。エスコバーはフォームのクセが指摘される等、課題が見つかっていた。
エスコバーはこうして「ビミョーな外国人」のポジションにおさまる。どの球団のファンも「ビミョーな外国人」の思い出をお持ちだろう。どんな方も「ビミョーな外国人」の5人や10人挙げられるのじゃないか。ただビミョーなだけに5人や10人挙げてもさっぱり盛り上がらないのだ。