中島、小谷野……補強に成功したオリックスの贅沢な内野事情【どら増田のオリ熱コラム #10】
昨季オフ、大型補強に成功したバファローズ。選手層が厚くなる分、ポジションやオーダー、さまざまな組み合わせが可能になる。
2015/02/14
安達への期待
この中で現在のところ最も首脳陣にアピールできているのは、日本ハムからFA移籍した小谷野だ。小谷野には”率先”する気持ちがある。最近のオリックスには明らかにいなかったタイプ。春季キャンプには全内野ポジション用のグローブを色違いで二つずつ持参した。
小谷野は内野手の定位置争いを「大歓迎」と語り「どのポジションでも構わないから試合に出ること」を目標に8つのグローブの感触を確かめている。泥塗れになりながらノックを受ける34歳から、FA交渉時に「6番で使いたい」と球団に言われたことに対して「(球団に)確約された」ととらえるのではなく「(自分から)獲りにいく」という姿勢が強く伝わってくる。
ライバルとなるヘルマンも好調さをアピールしているが、外国人枠問題を抱えていること、昨年バッティングに難があった。サードは小谷野が守る可能性は高い。
今季補強の目玉である中島裕之はやはりショートだろう。経験豊富な中島がショートにいるのは、優勝経験がない今のチームにとってすごく心強い。あとは紅白戦、オープン戦を通じて、久しぶりの日本野球に早く適応できるか。
残るはセカンド。平野恵一と安達、そしてベテランのスーパーサブ原拓也または堤ら若手の争いになる。平野は毎年怪我に泣かされることもあり、春季キャンプも二軍スタートとなっているのだが、平野の勝負強さやリーダーシップは外せない。小谷野とはまた違った形でチームを牽引する力を持っており、後輩からも「恵一さん」という言葉が度々出るなど人望も厚い。セカンドは平野恵一に期待する。
ここまで読んで来られた方はお気付きかと思うが、キャンプの段階では安達をレギュラーの予想から外した。
安達の尋常じゃない人気や、良くも悪くも”持っている”ことも当然わかっている。もちろん生え抜きである安達に対しての期待感は大いにある。
シーズンは長い。チャンスはたくさんやってくる。不調のレギュラーと入れ替わることもあり得る。小谷野や中島が同じチームに来たのだから、弟子入り志願するくらいの気持ちで、大いに吸収し選手として大化けしてもらいたい。
今季の補強は3連覇するためのものであり、2020年東京オリンピックを見据えているとも言われている。安達が不動のレギュラーになる頃には、クリーンナップでタイトル争いをするくらいの選手になっていてほしいという思いがある。
今季の内野手争いは、安達のためにあるといっても過言ではないだろう。
1カ月後にどうなっているのかが非常に楽しみだ。