谷間の世代を埋められるか…3年後の「2020年の巨人軍」を考える【死亡遊戯コラム】
今シーズンも折り返そうとしているが、読売ジャイアンツは6日試合終了時点でセ・リーグトップと15ゲーム差の5位。昨今の巨人を見ていると“先”を見据えたチーム作りをしているとは言い難い構成となっている。そこで、東京で五輪が開催される3年後の2020年にはどんなチームになっているのかを考えていきたい。
2017/07/07
90年組も30代に突入
首位広島と15ゲーム差。3位DeNAとも6ゲーム差。
それが今のリーグ5位に沈む巨人の現在地だ。現実的に見て、残り67試合はクライマックスシリーズの出場権を得るためにAクラス狙いの戦いになっていくだろう。
V3時代を支えたベテラン陣が衰え、チームとしてひとつのサイクルが終わった感のある2017年の由伸ジャイアンツ。ここからどのようにチームを立て直していくのか? 今回は現在のチーム編成を正確に捉える意味も込めて、近未来の「2020年の巨人軍」をテーマに、3年後のメンバー構成を考えてみよう。
巨人2020年予想布陣・野手
捕手 小林誠司(31)
一塁 ?
二塁 吉川尚輝(25)
三塁 岡本和真(24)
遊撃 坂本勇人(32)
右翼 長野久義(36)
中堅 ?
左翼 陽岱鋼 (33)
控え
亀井善行(38)中井大介(31)橋本到(30)立岡宗一郎(30)重信慎之介(27)石川慎吾(27)山本泰寛(27)辻東倫(26)
※()内は2020年の満年齢
3年後、長年チームを支えた阿部慎之助は41歳、村田修一も40歳とともに不惑の40代に突入し、現役生活を終えている(もしくはレギュラーではなく控え野手の)可能性が高いだろう。
チームの中心は間違いなくキャプテンの坂本勇人だ。現在1494安打。昨季は年間168安打を記録し、順調に行けば31歳での2000安打達成も現実味を帯びてくる。ちなみにNPB最年少2000安打記録は榎本喜八の31歳7カ月、同2位は張本勲の32歳2カ月。88年12月生まれの坂本がレジェンドたちにどこまで迫れるかも注目である。
正捕手は31歳と年齢的にはピークを迎えているであろう小林誠司。今季も打率1割台とできれば打力のある捕手と併用したいところだが、現在のチームの第2捕手は実松一成や相川亮二らのベテラン勢。3年後には27歳になっている宇佐見真吾がどこまで小林と競えるか注目したいところだ。
二塁手はドラ1ルーキー吉川尚輝と2年目のガッツマン山本泰寛の争いか。長年固定できていないポジションだが、20年には吉川尚は働き盛りの25歳、坂本との華のある二遊間を期待したい。
さて問題は一塁と三塁である。今季は阿部、村田、ケーシー・マギーの3人のベテランで回すこのポジション。3年後、24歳の岡本和真に外野ではなく三塁を守らせ、一塁は今ドラフトで清宮幸太郎(早実)を抽選で引き当てられたら申し分ないが、現実的には外国人選手で補うことになりそうだ。こうして見ると岡本以外に長距離砲タイプのプロスペクトが皆無なので、是が非でも1軍の戦力として定着させたい。
外野陣は、長野や陽の守備力が年々衰えており、3年後はそれぞれセンターではなくライトとレフトというのが現実的だろう。橋本到や立岡宗一郎の90年組も早いもので30代を迎えている近未来。俊足が武器の重信慎之介も含め、彼ら3名の誰かにセンターを任せられるか? というのが編成の鍵を握ってくるはずだ。
しかしチーム年齢分布で10代と20代前半の外野手が極端に少ないのが気にかかる。それぞれ下半身に故障歴がある長野や陽に何かアクシデントがあった時のことを考えると、3年後に27歳の石川慎吾は貴重なバックアッパーとして重宝されそうだ。