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「衰えの兆候は見えず」3つのデータから考える、黒田博樹の2015年【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、3つのデータから黒田の2015年を占ってみた。

2015/02/22

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3 被打撃成績

 先発投手としての内容を見るためには、「被打撃成績」を見るのがわかりやすい。
 黒田の被打撃成績をまとめた。被OPSは被出塁率と被長打率の合計だ。リーグ打率は黒田が所属したリーグの平均打率となる。
 
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 ダルビッシュ有や、良いときの松坂大輔の被打率は.210前後。これは、リーグで最も安打が打ちにくい投手の部類だ。
 対照的に黒田は常にリーグの平均打率より少し良い程度。その中で毎年コンスタントに成績をあげていたということは、塁上に走者を出しながらも「試合を作る」名人だったと言えよう。
 被打撃成績を見る限り、黒田博樹に衰えの兆候は見えない。同じような数字がずっと並んでいる。
 偶然にも、昨年と一昨年は同じ767打数で191安打を打たれている。打率は同じだが、OPSは下がっている。打たれた長打数が69本から59本に減ったからだ。打者と勝負する感覚や、投球の精度は少なくとも39歳になる昨年まで、ほとんど衰えていない。
 
 NPB復帰1年目、黒田はどれほどの成績を残すだろうか。

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