巨人、後半戦のキーマンは打率1割捕手・小林誠司。球宴時の抱腹絶倒のパフォに込めた高橋監督の高い期待値
前半戦は泥沼の13連敗を喫するなど、厳しい状況が続いた読売ジャイアンツ。後半戦が始まった17日は、中日ドラゴンズに快勝し、幸先のいいスタートを切った。反撃ののろしを上げるには、正捕手・小林誠司が鍵になりそうだ。
2017/07/18
球宴初アーチ、指揮官の手荒い祝福は期待の表れ
チームの総責任者である高橋由伸監督も当然痛感している。それを象徴するかのような場面がつい先日、見受けられた。初出場となった球宴の第2戦(15日・ZOZOマリンスタジアム)で小林がオリックス・金子千尋の投じた初球ストレートを左翼席中段へ叩き込み、全セの先制ソロを放ったシーンは記憶に新しい。
球宴初打席で初球を本塁打としたのはロッテの有藤通世以来、47年ぶり4人目の快挙。公式戦ではお目にかかれない豪快な一発に全セのコーチを務めていた高橋監督がベンチで“なぜ?”とでも言いたげに両手を広げ、ダイヤモンドを一周してきた小林の頭をヘルメットが浮くぐらいに強く叩きながら手荒く祝福していた。
さらに試合後のセレモニーでは小林が敢闘選手賞に選ばれてコールされると、Gの指揮官はベンチ前で“ここじゃなくて公式戦で打てよな!”と言わんばかりに帽子をグラウンドに叩き付け、周囲の爆笑を誘った。
公式戦のベンチでは試合中にほとんど表情を変えないことからG党の間でも「仏像監督」と揶揄されている由伸監督が、ここまで抱腹絶倒のリアクションを見せたのだ。
これはお祭りの場だから飛び出した単なる“余興”などではない。このレアなパフォーマンスの裏側には、やはり由伸監督の小林に対する強い期待値が込められているのだろう。
ちなみに小林はとても気が強い反面、ある部分において繊細な性格を持つ選手でもある。自分がチーム内あるいは世間でどのように見られ、どう受け止められているのか。自らを成長させていきたいからこそ、周囲に目を配ろうと常に心がけながらどんな些細な情報にもアンテナを張り巡らせている。
そういう意味では「扇の要」としてふさわしい人物と言えるのかもしれない。しかしながら逆にそういう一面が災いし、時として本来であれば軽く受け流せばいいはずの自分への悪評も見聞きしてしまい、気にし過ぎてしまう傾向もあると聞く。