ロッテ・加藤、プロ5年目も「チームのために」。刺激を受けた“ライバル”たちの存在【マリーンズドキュメント】
2012年にドラフト4位指名を受け、千葉ロッテマリーンズに入団した加藤翔平外野手。大学時代からチャンスで打席に立つことが多かったと話す加藤だが、ここぞの場面で結果を残せるようになるまでに数々の試練があった。
2017/07/24
千葉ロッテマリーンズ
大学時代に三木と寮で同部屋になったことも
マリーンズに入団して5年目を迎えた今も試行錯誤は続いている。
誰かが出場すれば、誰かの出場機会が減り、プロであるから職を失うことにもつながる。1年目の頃、ある先輩が新人時代を振り返ったときの発言を加藤は忘れられない。「俺は新人の頃、レギュラーの先輩を潰してやろうという気持ちだった。仲が良くても、そういう思いは忘れてはいけない」。
それでも外野手争いの壁は厚い。自分だけでなく、皆がそれぞれ戦っている。先が見えずに思い悩んだとき、心情を察したように、マリーンズのキャプテンを務める鈴木大地に言われたことがあった。
「絶対に下を向くな。もう一度、チャンスは来る」
加藤にとって、ひとつ年上の尊敬すべき人物だった。自主トレを共にする間柄であり、時には厳しい言葉で愛ある助言をくれる。鈴木について、加藤は「あの人自身がそういう選手じゃないですか。どんな状況でもチームのために声を出して、チームのために良い場面で打つ。言葉だけでなく、プレーしている姿もすごいなと感じます」と話す。
刺激をもらえる存在には、内野手の三木亮の名も挙がる。今季、三木が一軍の遊撃手として出場機会を増やし始めた時期、加藤は2軍にいた。彼の活躍は嬉しい反面、悔しかった。2人は上武大の先輩後輩でもあり、野球部の寮で同部屋になったこともある。
加藤にとって、三木は初めて心から実力を認めた後輩だった。自身の転機となった大学4年、チャンスに物怖じしなくなった試合で、大きな戦力である三木は怪我により欠場していた。だからこそ、あの場面はチームのために自分が決めなければならなかった。