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復調・巨人、投打でランクイン。陽岱鋼が両リーグトップ、新人・畠はMVP級の奪三振力【データで選出8月月間MVP】

8月度の日本生命月間MVPが発表され、野手では山川穂高(西武)と筒香嘉智(DeNA)が、投手ではデニス・サファテ(ソフトバンク)とマイルズ・マイコラス(巨人)が選出された。山川は8月2日の楽天戦で3打席連続本塁打を放つなど絶好調。チームが勝利を重ねていく原動力となり、がっちりとレギュラーの座をつかみとった1ヵ月だった。今月もデータに主眼を置いた別角度からの評価で、8月に最も効果的な働きを見せていた選手が誰なのかをチェックしていく。

2017/09/12

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今季出遅れた山川、吉田の両スラッガーが夏場に入り本領発揮

 それぞれの選手がどういった要素で上積みをつくっていたかを見ていく。打撃面でトップの秋山、陽を上回る貢献を見せたのが、日本生命月間MVPに選出された山川と角中勝也(ロッテ)だ。山川はパ・リーグ最多の月間9本塁打、角中は月間出塁率.440とそれぞれ長打と出塁で貢献した。
 
 トップとなった秋山、陽はもちろん、福留孝介(阪神)、吉田正尚(オリックス)、鈴木誠也(広島)も打撃で抜きん出た存在になっていた。また次世代スラッガーとして開幕前から期待されてきた山川と吉田は、シーズン中盤までは不振や故障でファーム待機が続いたが、復帰以降の活躍は期待通りかそれ以上のものといっていいだろう。球界屈指のインパクトを、打撃を通じて与えている。
 
 前述した通り、ここで示している打撃貢献は、質の高い打撃を多くの量(機会)をこなすことで大きくなる。福留や鈴木は打席数が他選手に比べ少ないにもかかわらず上位に名を連ねている。質は十分だったので、他選手並に打席を重ねられていたらさらに大きな数字となっていたかもしれない。
 
 陽、丸の両中堅手は守備面でも大きな貢献を果たした。守備での働きを示すUZR(Ultimate Zone Rating)では、同じイニングを守った平均的な中堅手に比べ陽は5.1点、丸は6.4点多く失点を防いだと評価される。自軍の投手を大いに助けていた様子がうかがえる。
 
 守備指標UZRは各ポジション内での相対的評価であるため、異なるポジション間を比較する際は、守備位置ごとの補正を行う必要がある。一般的に高い守備力、もしくは独自性のあるスキルを要するポジション(遊撃手や二塁手、捕手など)を守った選手はプラスに補正をかけ、その逆のポジション(一塁手や左翼手など)はマイナスの補正をかけるといった具合だ。
 
 浅村栄斗(西武)と田中広輔(広島)は攻守で一定の貢献を見せたのに加え、高い守備力が求められる二塁手、遊撃手であるため、それぞれ守備イニングに応じて1.4点、1.0点がプラスしている。浅村、田中は各要素で飛び抜けた数字こそ記録していないが、守備力を要するポジションを守りながら、これらの成績を残すことで価値を創り出した。
 
 セ・リーグ野手部門で日本生命月間MVPに選ばれた筒香嘉智は、この評価方法でも打撃でセ・リーグトップの数字(11.9)を残している。ただし走塁、守備で数字が伸びず、また守備負担の軽い左翼手であることから守備位置補正でもマイナスの値が計上され、リーグ8位(8.4点)となっている。

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