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荒木大輔、ドラフト1位の肖像#3――「プロに行く気0%」を変えさせた、『アイスクリーム』事件

かつて「ドラフト1位」でプロに入団した選手1人の野球人生をクローズアップする。華やかな世界として脚光を浴びる一方で、現役生活では「ドラフト1位」という肩書に苦悩し、厳しさも味わった。その選手にとって、果たしてプロ野球という世界はどのようなものだったのだろうか。

2017/10/26

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100パーセント大学に行きたかった

 ここまで騒がれたのだから指名は受けたいと思っていたという。指名されなかった場合、同級生たちから、大騒ぎしたのにと冷やかされるからだ。
 
 荒木を指名したのは、ヤクルトスワローズと読売ジャイアンツの2球団だった。そしてくじ引きの結果、ヤクルトスワローズが交渉権を獲得した。
 
「自分をそれだけ評価してくれたんだという嬉しさはありました。ただ、行く気は全くない。本当にそのときは0パーセントでした。100パーセント大学に行きたかった」
 
 また、スワローズにはいい印象がなかったという。この年のスワローズはセントラル・リーグ最下位。前年も4位というぱっとしない成績だった。
 
「当時のヤクルトっていうのは、やはり無理ですよ。中学生のときに広岡(達朗)監督で優勝したことしか知らない」

 荒木はドラフト指名直後からプロ入りしないという態度を貫いていた。
 
 12月3日午後3時、荒木の父親がスワローズのスカウトに断りの連絡を入れている。これで終わり、のはずだった。
 
 しかしスワローズは諦めなかった。

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