【日本S第6・7戦展望】日本一へカギ握る先発起用。王手かけるソフトバンク、千賀は中継ぎ?DeNAは左腕で勝負を
日本シリーズは4日から福岡・ヤフオクドームで第6、第7戦を迎える。ここまでの5戦は、福岡ソフトバンクホークスの3連勝の後、横浜DeNAベイスターズが2連勝。王手をかけ、本拠地に戻ってきたソフトバンクに分があるが、日本一に輝くのはどちらか。
2017/11/04
ソフトバンク打線は今宮がカギ、DeNAは左打者
ソフトバンク打線は、今永のような制球力と切れで勝負し、スライダーの出し入れの上手な投手に対して相当苦戦すると予想される。第2戦は1回に柳田悠岐が出塁して1点を挙げたが、その柳田は後の2打席で2三振を喫している。そう上手くはいかないはずである。
キーパーソンを挙げるとしたら今宮健太だ。2戦目に逆転ホームをタッチしたことでもクローズアップされたが、第4戦まで決して調子がいいというほどではなかった。
しかし、第5戦で3安打猛打賞の活躍。守備範囲の広さと足で魅せてきたが、打撃の状態も上げている。第1戦では左腕・田中健二朗のカーブにタイミングを合わせて適時二塁打を放っている。高校時代は70本塁打も放ったパンチ力に定評があり、もともと大舞台に強い。
同じ右打者のデスパイネ、内川聖一が好調をキープしており、ここに今宮が加わるとさらなる脅威になるはずだ。打順の組み替えは考えにくいが、「バントの人」では終わってはいけない選手だ。
一方のDeNA打線は千賀・東浜をどう攻略するか。
千賀は強いストレートと“お化け”と言われるフォーク、スライダー、カットボールを投げ込んでくる。試合展開を読みながら投げる巧さも兼ね備え、前回登板時には3点リードを上手く利用して、無死1、3塁のピンチで欲張らずに、併殺を取っていた。
カギを握るのは左打者だろう。
前回登板での二人は、変化球をアウトコース、インコースには高めの強いボールで打ち取っていた。千賀はいわゆるバックドアでストライクをとり、インハイにカットボールやストレートを投げ込み、最後にフォークで仕留める。東浜は外のツーシームでカウントをとり、インコースにストレート系を投げ、シンカーで打ち取るというパターンだ。
その東浜を上手く打ったのが梶谷隆幸だった。外の変化球の後のストレートをとらえて本塁打にしている。第5戦にシーズン初本塁打を放って調子を上げている筒香嘉智、外の変化に強い倉本寿彦、千賀から安打を放っている柴田竜拓の出塁もカギを握ってくるはずだ。
ここまでくれば、総力戦になる公算が高い。
1勝リードしている分、ソフトバンクに余裕があるが、第5戦目の継投では、その余裕は感じられなかった。千賀を中継ぎで使ってくるかどうか、工藤采配に注目だ。DeNAは今永がどこまで均衡した試合に持ち込んでくれるか。第7戦までもつれれば、総力戦の白熱したゲームになる。