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日本のFA制度、「宣言」は必要か。全選手の自動FA、アマ選手の入団交渉…改善策は?【小宮山悟の眼】

日本シリーズが終わり、ストーブリーグが騒がれ始めた。連日、各紙の報道などもにぎやかになっている。フリーエージェント(FA)権行使のための申請はきょう14日に締め切られる。今回はFA制度の問題点などを整理してみたいと思う。

2017/11/14

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日米のFA制度にみる違い

 広く知られていることだが、日本のプロ野球と米国のメジャーリーグのFA制度は少し異なる。メジャーの場合は、在籍期間6年でFA権を得る。また、契約期間を満了した選手や、契約解除となった選手も「FA」となる。
 
 日本の場合は、FAの資格(国内移籍は在籍期間8年、海外移籍は9年)を取得しても、権利行使を宣言しない限りは効力が発揮されない。メジャーとは勝手が違うのだ。
 
 そもそも、なぜ違いが生まれるかというと、米国には日本で言う任意引退選手という区切りがない。契約が切れた時点で自由契約選手となるのだが、日本の場合は翌年も契約する意思があるという選手は「保留者名簿」というのに名前が掲載される。一方、その名簿に名前が載らないと自由契約選手という扱いになる。名簿に名前が載った時点で、球団から身柄を拘束されたということになるのだ。
 
 米国では「自由契約」という名の「FA」であり、日本のFA制度は「自由に移籍する権利を持った人」という扱いだ。メジャーでは6年在籍したら自動的にFAとなって、もう一度契約するかどうかの形をとるので、宣言しない限りFA選手ではない日本とは大きな違いがある。
 
 日本も米国に倣った方がいいのでは、という議論はあるだろう。必ずしも米国の制度が全ていいとは思わないが、私は同じ形が望ましいと思っている。FAの資格を満たしたら、宣言しようがしまいがFA選手になる。それでいい。
 
 そうすることによって、各球団は多くの選手の入れ替えが可能になり、人の動きが活性化する。今所属しているFA選手が本当に必要なのかどうか。他球団のFA選手と比較して再契約するのか、新規に他の選手を獲るかの選別を行うのだ。
 
 その場合、能力の高い選手は「勝ち組」、そうでない選手は所属先がなくなり引退に追い込まれる可能性があるのも事実だ。しかし、プロ野球という厳しい世界で、それは当然のことだと思う。契約によって運命の時を迎えるのは当然のことだ。日本の場合、米国のように「メジャー契約」という枠がない分、それほど高いハードルにはならないはずだ。

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