ボークを打って右飛、マウンド上で指をペロッ…判定はどうなる?【意外と知らない野球ルール3問クイズ】
野球には、様々な状況を想定した「公認野球規則」がある。このルールブックによって、想定外と思われるような珍場面でも公正な判定を下すことができる。今回は「名珍場面から振り返る野球のルール」(カンゼン、2014年刊行)より、難解な野球規則を過去の事例からクイズ形式で出題する。(2017年12月27日配信分、再掲載)
2020/03/30
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正解は…
C:打者は打ち直し。走者がいた場合はボークのため1つ進塁。
98年7月15日、横浜対巨人の一戦で起こったプレー。8回裏、2点差に追い上げた横浜の攻撃は2アウト一塁で佐伯貴弘。マウンドには抑えの切り札の槙原寛己が上がっていた。
2球目を打った佐伯の当たりはライトへのフライ。ライトの高橋由伸が捕球し、3アウトチェンジとなるはずでしたが、球審がボークのジェスチャーをしていた。
判定の根拠となるルールが、公認野球規則8.05「ペナルティ」の項にある。
「本条各項によってボークが宣告されたときは、ボールデッドとなり、各走者は、アウトにされるおそれなく、1個の塁が与えられる。ただし、ボークにもかかわらず、打者が安打、失策、四球、死球、その他で一塁に達し、かつ、他の全ての走者が少なくとも1個の塁を進んだときには、本項前段を適用しないで、プレーはボークと関係なく続けられる」
ライトフライだった佐伯は、打ち直しになるということ。このあと2アウト二塁で再開し、佐伯はライトスタンドへ同点2ランを放った。その後、9回裏に波留のサヨナラ打で横浜が勝利した。
もし、ボークをおかしたときにライト前ヒットであれば、ヒットはそのまま生きるため、打ち直しのホームランはなかったことになり、違った結果となっていた可能性もあっただろう。