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同じ打者に継投…、規定打席不足なのに首位打者…判定はどうなる?【意外と知らない野球ルール3問クイズ】

野球には、様々な状況を想定した「公認野球規則」がある。このルールブックによって、想定外と思われるような珍場面でも公正な判定を下すことができる。今回は「名珍場面から振り返る野球のルール」(カンゼン、2014年刊行)より、難解な野球規則を過去の事例からクイズ形式で出題する。(2018年1月7日配信分、再掲載)

2020/04/09

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正解は…

A:規定打席に達していなくても、不足数を打数として加算することができるため。
 

 公認野球規則10.22「プロフェッショナルリーグの打撃、投手、守備における各最優秀プレーヤーの決定は、次の基準による」の(a)項に、次の記述がある。
 
 「打席数とは、打数、四球、死球、犠牲バント、犠牲フライおよび妨害または走塁妨害による出塁数の各々の合計をいう。ただし、必要な打席数に満たない打者でも、その不足数を打数として加算し、なお最高の打率、長打率、出塁率になった場合には、この打者がリーグの首位打者、最高長打率打者、 最高出塁率打者となる」
 
 2011年のイースタンリーグで、この規則が採用された。リーグ終了時、記録上の打率1 位は雄平(ヤクルト)で打率.330。ところが、規定打席に達していない銀次(楽天)が打率.345をマークしていた。銀次選手は打席数289、打数249、安打だった。
 
 1軍の規定打席はチームの試合数×3.1以上だが、ファームは試合数×2.7以上(端数は四捨五入する)と定められている。2011年のファーム楽天の試合数は108。ここに2.7を掛けると、292打席(291.6)が規定打席になる。つまり、銀次は規定打席に3打席不足していたことになる。
 
 公認野球規則10.22にのっとって、249打数に3打席を足すと252打数になる。これで計算すると、打率.341。雄平を上回り、首位打者となった。
 
 なお、1軍でこの規定によって、首位打者に輝いたケースはまだない。
 

 
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