広島の独走V3許した下位チームのふがいなさ顕著。“1強”阻止へ編成から見直しを【小宮山悟の眼】
プロ野球のセントラル・リーグは、広島東洋カープが独走で球団史上初のリーグ3連覇を果たした。3位以下が勝率5割を切るなど下位のチームがこれほどまで沈んだ要因は何だったのか。そして、昨季の最下位から現在2位まで躍進している東京ヤクルトスワローズはいかにしてチームを立て直したのだろうか。
2018/09/30
若手の台頭かすむベテランの劣化
広島東洋カープがリーグ3連覇を達成した。
ここ数年間で自信を持った選手たちが勝つためにどうすればいいかを理解して戦い抜いた印象だ。昨季ほど数字は良くなかったが、他チームが沈んでくれたこともあって独走態勢のままリーグ制覇した。
セ・リーグを総括すると、広島以外のチームのふがいなさを指摘せずにはいられない。本来、昨季2位の阪神タイガースや3位の横浜DeNAベイスターズ、戦力が充実している読売ジャイアンツは「今季はカープに勝つ」「肉薄する」というシーズンにするべきだった。
低迷の要因は、ベテラン選手たちが軒並みパフォーマンスを落としたことだ。
ある程度の年齢になると、もともとの能力が枯渇して上昇できなくなっていく。だからこそ、年を重ねた選手たちはその落ち込みをどれだけ緩やかにするかを考えるべきなのだ。
しかし、今年の各チームのベテランは、レベルの退化を食い止められなかった。ビッグネームの選手たちが、こんなはずではないというパフォーマンスだった。
だが、若手が出てきたわけでもない。巨人は岡本和真と重信慎之介の台頭があったとはいえ、全体的に見るとベテランの劣化にチーム力の上積みがなされなかったといえるだろう。