広島を取り巻く2つの不安、緊張感少ないシーズンに主力の去就。地力あるソフトバンクへの勝機は【小宮山悟の眼】
プロ野球の日本シリーズが27日、幕開けする。セ・リーグ3連覇を果たした広島東洋カープとパ・リーグ2位から這い上がった福岡ソフトバンクホークスはいかなる戦いを見せるだろうか。
2018/10/26
緊迫感から遠ざかっている広島
セ・リーグは、巨人が広島の本拠地マツダスタジアムでの勝率が悪かったので、苦戦するだろうなと思ったが、そのままの結果になった。ファーストステージの勢いもなく、あっさりと敗れた印象だ。
シーズン勝率5割以下だった巨人は、気持ちが入っていなかったように思う。「この成績でCSだけ勝って日本シリーズに進出したらまずい」という空気が蔓延しているようで、覇気がないように見えた。
セ・リーグは1位の広島が順当に日本シリーズに進んだ。だが、心配な点がある。まず、緊迫感のある試合から遠ざかってかなりの期間が経過していることだ。
春先は競り合っていたペナントレースだが、後半2カ月以上はほとんど一人旅のような状態で独走して優勝した。さらにCSも連勝で突破したため、不安要素に挙げられるだろう。
「どの試合も同じだ」と選手たちはよく言うと思うが、レギュラーシーズンを緊張感が少ない中で戦った影響は多少出るだろう。戦力的にはバランスが取れていて、問題はないのだが…。
あとは、中心選手の一人である丸佳浩の去就が騒がれ始めていることだ。
フリーエージェント(FA)選手の公示があったばかりだが、丸は国内FA資格を取得した。彼がどう考えているがわからないが、すでにメディアが煽り始めている。他球団は「●年、●億円」という報道が出ている。“火のないところに煙は立たぬ”と言うから、どうプレーに影響を与えるか。主力選手である丸の処遇が騒がれすぎてしまうのは、少しかわいそうだなと思う。雑音との戦いにもなるだろう。