「早めの一軍が成長の糧に」日本ハム・高梨裕稔の先発起用が意味するもの
5月3日の千葉ロッテ戦で、同一カード3連勝をかけた北海道日本ハムは足の不安のため登板を回避したエース・大谷に代えて、2年目の高梨裕稔を先発に送った。これで2013年にドラフト入団した8名全員が一軍を経験したことになる。
2015/05/06
ほろ苦い一軍デビュー
ゴールデンウィーク真っ只中の5月3日、QVCマリンでの千葉ロッテ8回戦のマウンドに上がったのは高梨裕稔だった。
ローテーション通りなら大谷翔平が投げるところだが、足の不安のため登板を回避。同一カード3連勝の期待は、入団2年目の右腕に託された。高梨にとってはプロ初登板である。
念願のデビュー戦は、ほろ苦い結果に終わった。
3回1/3を投げて被安打5、与四死球4の4失点。立ち上がり、岡田幸文にいきなり死球をぶつけた高梨は制球に苦しみ、四球を出しては足を絡めたロッテの攻撃に揺さぶられる。カウントを取りに行った甘いボールは、ことごとく打たれるという悪循環に陥った。
日本ハムは序盤の失点を盛り返せず2-7と完敗し、高梨は敗戦投手となった。
敗戦という結果はともかく、この高梨の初登板によって昨年入団した8人全員が一軍デビューを果たした。
プロ入り2年目の5月で全選手がデビューするというのは、日本ハムでなければ考えられない。この球団の若手起用は、とにかく大胆のひと言に尽きる。
積極果敢な起用の根底には、一軍の試合に出なければわからないこと、学べないことがある、という考えがある。学ぶべきものがあるのなら、早めに学んだ方がいい。