抹消が規定路線 第5の助っ人・サンティアゴは外国人カルテットのカンフル剤になるか?
メッセンジャーの不振もあり、15日の中日戦にタイガース第5の助っ人・サンティアゴのデビューが決まった。前回のWBC、日本戦で好投するなど実績は十分。結果にかかわらず登板後に抹消されることが濃厚だが、サンティアゴの投球内容は多方面にわたって意味を持つ。
2015/05/14
サンティアゴが好投すれば……
プエルトリコ代表に選出された13年WBCでは、準決勝の日本戦に先発。4回1/3を2安打無失点とほぼ完璧に封じ、侍ジャパンの3連覇を阻んだ。
だが、その激闘で右肘のじん帯を断裂。4月にトミー・ジョン手術を受け、13、14年はほぼ全休。14年12月のプエルトリコでのウインターリーグから、ようやく戦列に復帰した。今年2月のカリビアン・シリーズでは、プエルトリコ代表としてキューバ戦に先発し、強力打線を5回2安打無失点に封じ込めた。
ドジャース傘下マイナー出身でメジャー経験はないが、侍ジャパンを封じた最速150㎞のハードシンカーは大きな武器となる。手術からほぼ2年を経過し、患部のじん帯もすっかりなじみ、球速も以前と同じレベルに戻りつつある。ウエスタン・リーグではここまで6試合に登板(うち先発5試合)。1勝2敗ながら、防御率1.80と安定した投球を重ねてきた。
投球自体にも大きな期待は集まるが、実は今回の昇格は、いわゆる「投げ抹消」が規定路線。メッセンジャーは10日間の抹消期間を経て、21日の巨人戦(甲子園)での1軍復帰即先発が決まっている。
降格を決めた和田監督も「(メッセンジャーに)次の登板も告げてある。まだ争うとかのレベルではない」と話している。当初から心身両面のリフレッシュ目的。外国人枠の関係があり、サンティアゴはどんな快投を演じようと、再び2軍で再調整しなければならない。
ただ、4人の助っ人カルテットには大きなカンフル剤となろう。特にメッセンジャー、マートンは日本球界での実績もあり、技術的な修正が必要なレベルではない。精神的に刺激を受ければ、プレーに好影響を与える可能性は十分にある。
抹消が規定路線でも、サンティアゴの投球内容は多方面にわたって意味を持つ。快投すれば今後の自身の再昇格はもちろんのこと、助っ人カルテットも今後の外国人枠争いを意識せざるを得ない。内容次第で、芽生える危機感も違う。
和田阪神浮上のためには、助っ人カルテットの復調が一番の近道。序盤出遅れからの巻き返しを占う意味でも、15日の中日戦は大切な試金石となる。
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