変貌を遂げた「新・精密機械」野村祐輔 黒田博樹から学んだ投球術
7回3失点の好投、5月14日のジャイアンツ戦で3勝目をマークした野村祐輔。今シーズンの野村には充実感に満ちている。好投の要因に復帰した黒田博樹の存在がある。
2015/05/15
3戦3勝のジャイアンツキラー
「攻める気持ちを忘れなかった」という7回3失点の好投、5月14日のジャイアンツ戦で3勝目をマークした。これで、今シーズン、対ジャイアンツ3戦3勝、野村祐輔が充実のピッチングを続けている。
あの甲子園での1球が野村祐輔の代名詞であったかもしれない。夏の甲子園、決勝戦の土壇場でコーナー突いた投球は「ボール」の判定。
がっくりするマウンドの野村、勢いづいた佐賀北ナイン、形勢は逆手し、好投手野村を擁する広陵は、あと一歩のところで優勝を逃した。
ストライク・ボールの判定を論じたいわけではない。高校時代から、野村はそこまでのコースに投げ切れる制球力を有していた。明治大ではエースとして活躍、カープでは1年目から先発ローテーションに定着、彼の制球力は各カテゴリーで抜群の威力を発揮してきた。
4年目の今シーズン、そんな野村が変身を遂げようとしている。そんな彼の意志が明確に見える球種がある。シュートだ。
「去年は、シュートを曲げようとしすぎて、体が開いてフォームを崩していました。今年は、曲げようというより、勝手に動いてくれる。そんなイメージです」
ストライクゾーンの四隅を突くことだけではない。ボールを大きく曲げることでもない。ボールが打者の手元でわずかに動くことで打ち取ることができる。