ベイスターズと横浜スタジアムを“声”で盛り上げるウグイス嬢
球場内でアナウンスを担当する“ウグイス嬢”もチームを支える裏方の一人だ。今回は横浜DeNAベイスターズの江川広美さんにウグイス嬢の仕事について話を伺った。
2019/06/24
忘れられない日本シリーズの思い出
DeNA体制になって8年目。ここ数年で急激に成長を遂げ、また壁にぶつかりそれを乗り越えようと必死になっているチーム。江川さんはそんな若い選手たちの奮闘を間近に見ながら、一言一句に心を込めコールしている。
「誰にでもできる訳ではない憧れだったプロ野球の場内アナウンスのお仕事を、わたしは幸いにも長く務めさせていただいているので、常に感謝の気持ちで取り組んでいます」
忘れられないのは、やはり2017年シーズンの日本シリーズだという。日本一は逃したが、王者ソフトバンクに横浜スタジアムで巻き返しを期したDeNAの奮闘は昨日のことのように思い出せる。
「日本シリーズ独特の緊張感や盛り上がりのなかでアナウンスができたのは感動でしたし、声が震えるほどでした。チームが勝ち進んでくれたからこそ実現したことで、自分の力だけでは絶対に経験できないことです。このような経験ができたのは大変光栄なことでした」
ウグイス嬢としてチームを裏から支える江川さんは、今季のリーグ優勝と日本一を強く願っている。業務となれば私情を挟むことなく冷静沈着に発声しなければならない。手元にはスコアブックを置き、記しながらゲームを追う。心は熱く、頭は冷静に。それもこの仕事の醍醐味なのだろう。
自身が中学生のときに横浜スタジアムで耳にして憧れた、臨場感がある聞き取りやすいアナウンス――球場へ足を運んだ際には、ぜひ江川さんの浜風のような爽やかなコールを試合とともに堪能してもらいたい。