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「ジャイアンツ最速の男」立岡宗一郎、新1番打者候補の出現

ソフトバンクでは、背番号7を与えられた逸材もプロに入って伸び悩んだ。故障にも悩まされ、発展途上。しかし、立岡には誰にも負けない脚力がある。この千載一遇のチャンスを活かすことができるか?

2015/05/29

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秋山幸二2世と称された逸材

東京ドームに聞き慣れたあのテーマ曲が鳴り響いた。

フジテレビF1オープニングテーマ曲『T-SQUARE TRUTH』を自身の登場曲に左打席に入ったのは背番号58。
巨人の2番サード立岡宗一郎、25歳。
客席からは「今日の三塁は井端さんじゃなくタチオカ?」なんて声も聞こえてくる。
ゴメン、タチオカじゃなくタテオカ。
その男、巨人軍最速の走り屋である。

最初の10メートルの加速力は球界屈指。
ジャイアンツ球場では、平凡な二塁ゴロを内野安打にしてしまう圧倒的な脚力でスタンドを沸かせてきた。
幼少時代からフィジカルモンスターとして知られ、柔道では小学1年から3年連続で熊本県大会優勝。
もちろん陸上競技でもその非凡な才能をいかんなく発揮した天才少年。
高校時代は、走攻守三拍子揃った外野手「秋山幸二2世」と称された逸材。
08年、ソフトバンクからドラフト2位指名を受け、期待を込めて背番号7が与えられた。

だが、全国から元天才少年たちが集まるプロ野球で立岡は伸び悩む。
ショートに挑戦するも1軍の壁は厚く、4年目の12年6月に巨人へトレード移籍。
さあ心機一転と思ったら、移籍直後の7月の2軍戦で味方野手と交錯し左肘靱帯断裂の大怪我を負ってしまう。
右打者としては致命的な左肘の故障。
だからと言って、ゆっくり回復を待っている時間はない。
後がない移籍組。崖っぷちの俺。
ここで立岡は中学生以来の左打ちに挑戦する。
いわば、それは己の野球人生を懸けた賭けでもあった。

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