【データで選出6月月間MVP】西武・外崎修汰とヤクルト・中村悠平が攻守のバランスよくトップに。柳裕也(中日)は与四球を抑え投手最高評価
2019/07/08
DELTA
交流戦勝ち越したパ・リーグ打者陣が高い打撃貢献
評価には(1)セイバーメトリクスの一手法を用いて選手のはたらきを得点換算し、(2)同じ出場機会を「平均的な成績の選手」が担った場合のはたらき(得点)を基準(=0)に置き、どれだけ上積みをつくったかという推定値を算出して行った。「平均的な成績に対して大きな差をつくり」、また「その状態で多くの出場機会を重ねていく」ことで増えていく数値なので、質と量、両面での貢献を見ることとなる。図中の[]で囲んだ項目でグラフが右に伸びているものはリーグ平均以上、左に伸びているものは平均以下だった数値だ。
まず野手からみていく。パ・リーグは外崎修汰(西武)、セ・リーグは中村悠平(ヤクルト)がそれぞれ12.5点、9.4点と最高の貢献を果たした。
打撃で最も大きな貢献を果たしたのは荻野貴司(ロッテ)だ。平均的な打者が同じ打席数に立った場合と比較して、10.2点多くチームに得点をもたらした。そのほかにはジャバリ・ブラッシュ(楽天)、中村剛也(西武)、外崎など、今季も交流戦で勝ち越したパ・リーグ勢が打撃で高い貢献を示している。
セ・リーグでは陽岱鋼(巨人)がわずか15試合38打席の出場ながら、18出塁を記録。もしもう少し出場を増やせていれば中村悠を超える値も残せていたかもしれない。
オリックス・福田と中日・高橋はゴロを範囲広く処理し高評価
守備評価には同じイニングを守った平均的な同ポジション選手と比較してどれだけ失点を防いだかを表すUZR(Ultimate Zone Rating)を使用する。しかしUZRは同ポジションの選手との守備を比較する指標であるため、今回のように異なるポジションの選手を比較する際は、ポジション間の補正を行う必要がある。一般的に高い守備力、もしくは独自性のあるスキルを要するポジション(遊撃手や二塁手、捕手など)を守った選手はプラスに補正をかけ、その逆のポジション(一塁手や左翼手など)はマイナスの補正をかけるといった具合だ。この守備位置補正をUZRに加えたものが守備貢献となる。
セ・リーグトップの中村悠は、高いスキルを要する捕手として良い守備を見せたことで3.5ポイントを獲得している。パ・リーグトップの外崎も守備面でも高得点を記録していた。この2名を上回る守備貢献を見せたのが福田周平(オリックス)と高橋周平(中日)だ。福田は二塁手として一二塁間の、高橋は三塁手として三遊間のゴロで他選手よりも多くアウトを取り、これが高評価につながった。