【データで選出8月月間MVP】西武・森友哉が両リーグ断トツの貢献。投手では前半戦不調の巨人・菅野智之が今季初のランクイン
2019/09/05
DELTA、Getty Images
西武・森はランキング内で見ても頭ひとつ抜けた貢献
評価には(1)セイバーメトリクスの一手法を用いて選手のはたらきを得点換算し、(2)同じ出場機会を「平均的な成績の選手」が担った場合のはたらき(得点)を基準(=0)に置き、どれだけ上積みをつくったかという推定値を算出して行った。「平均的な成績に対して大きな差をつくり」、また「その状態で多くの出場機会を重ねていく」ことで増えていく数値なので、質と量、両面での貢献を見ることとなる。図中の[]で囲んだ項目でグラフが右に伸びているものはリーグ平均以上、左に伸びているものは平均以下だった数値だ。
まず野手からみていく。パ・リーグは森友哉(西武)、セ・リーグは鈴木誠也(広島)がそれぞれ20.3点、11.0点と最高の貢献を果たした。彼らがほかの選手に差をつけたのはやはり打撃だ。平均的な打者が同じ打席数に立った場合と比べて、森は16.5点、鈴木は10.3点多くチームに得点をもたらしたと推定できる。
ほかにはダヤン・ビシエド(中日)、外崎修汰(西武)、ステフェン・ロメロ(オリックス)、島内宏明(楽天)らが10点以上の打撃貢献を記録。だがこれら打者の中でも森の値は頭ひとつ抜けており、そのはたらきが圧倒的だったことがわかる。首位・ソフトバンク追い上げの最大の立役者であったことは間違いない。
球団月間安打記録更新の楽天・島内は守備面でも大きな貢献
守備評価には同じイニングを守った平均的な同ポジション選手と比較してどれだけ失点を防いだかを表すUZR(Ultimate Zone Rating)を使用する。しかしUZRは同ポジションの選手との守備を比較する指標であるため、今回のように異なるポジションの選手を比較する際は、ポジション間の補正を行う必要がある。一般的に高い守備力、もしくは独自性のあるスキルを要するポジション(遊撃手や二塁手、捕手など)を守った選手はプラスに補正をかけ、その逆のポジション(一塁手や左翼手など)はマイナスの補正をかけるといった具合だ。この守備位置補正をUZRに加えたものが守備貢献となる。
守備では名手・菊池涼介(広島)以上に、左翼を守る島内が高得点を記録した。8月の島内は球団新記録を更新する月間38安打など打撃面の活躍が注目されたが、守備でも左翼手としてフェンス際のフライを度々好捕。攻守でバランスよく貢献を重ねたようだ。両リーグトップの森、鈴木は守備面でも良いはたらきを見せている。