「いつもの球場」にプロ野球 6試合中5試合が地方球場開催は2リーグ制後初の珍事【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#7】
23日、6試合中5試合が地方球場で開催される珍事が起きた。2リーグ制になってから初めてのことであるが、普段見慣れない球場でプロ野球を観ることは一つの楽しみでもある。
2015/06/26
ベースボールチャンネル編集部
不慣れな球場にエラーはつきもの
旭川は他球場とちがって、雨の影響はほぼなかった。気温が13℃と肌寒かったが、本降りになるよりいい。北海道の地方球場で心配なのは雨天中止だ。例えばロッテ応援団の身にもなっていただきたい。飛行機に乗ってはるばる旭川までやって来て雨天中止じゃ気の毒すぎるだろう。
が、地方球場の不確定要素は雨だけじゃない。選手らは慣れない土のグラウンドやフェンス、ファウルゾーンの距離感、あるいは風速や風向きといった「変数」を味方につけなきゃならない。人工芝のドーム球場とは勝手が違うのだ。パはドーム球場が多くて、野球が単純になっていると僕は常々感じている。できたらプロの「変数」の読み方、応用力のような部分にしびれたいのだ。
ただ実際には人工芝に慣れたプロの内野手は土のグラウンドを大いに苦手としている。イレギュラーのない人工芝グランドと比べ、土はイニングが進むごとにデコボコになり、不規則なゴロを生む。
23日の試合は田中賢介、中田翔にエラーがあった。日頃、「いつもの球場」で高校野球を見てるファンはプロに不満を持つかもしれない。
が、彼らの名誉のために言うなら、田中賢介も中田翔も守備に定評のある選手なのだ。賢介は(若い頃はともかく)1軍レギュラーに定着して以降は、ゴールデングラブ賞の常連だった。中田は今季、コンバートされた1塁手としてはミットさばきのハンドリングが実に巧みで、レアード(ショートバウンド送球がわりとある)等、かなり助かっている。
決して下手なわけじゃないプロの内野手が、土のグラウンドでエラーを頻発する理由は実に簡単だ。普段やりつけてない。回数の問題だな。だから年にいっぺんの旭川シリーズを楽しみにしてたファンが、ごひいき選手のエラーを見るような残念な事態になったりする。その代わりと言っちゃ何だけど、田中賢介も中田翔も旭川でホームランを打ってくれた。それでチャラってことにしてもらえるとありがたいのだ。
七夕の夜 江村直也のプレーに感じた「野球のコク」【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#7】
ベースボールチャンネルのフェイスブックはこちら→
ベースボールチャンネルのツイッターはこちら→