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稀代の長距離砲・中村剛也がある記録で歴代1位に セイバーメトリクスの視点で過去の打撃ベスト10を振り返ろう ~2009年編~

2020/12/02

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DELTA・道作



2009年のパ・リーグ

チーム    試合 勝率 得点 失点 得失点
日本ハム   144 .577 689 550  139
楽天     144 .538 598 609  -11
ソフトバンク 144 .532 600 591  9
埼玉西武   144 .500 664 627  37
ロッテ    144 .446 620 639  -19
オリックス  144 .394 585 715  -130
 

 
 この年は圧巻の長打力を武器に、中村剛也(西武)が初のランキング1位となった。1打席あたりの得点貢献を表すwOBA(※3)でも1位となったほか、本塁打、打点、長打率でトップの数字を記録している。この年の中村の出塁率は.359。2リーグ制以降のパ・リーグでは最も低い出塁率でのwRAA1位となっている。長打率2位のサブロー(ロッテ)を1割2分近く千切る異様な長打力の傑出がものを言った。この年の中村は長打が単打より29本も多いという異次元のスタッツをマーク(現在もNPB記録)。たとえ本塁打王経験のある長距離打者であっても、長打が単打を上回るシーズンを1度も経験しない選手は多い。にもかかわらず、中村はデビュー16年目の2018年シーズンが終わった時点でも、なんと通算長打が通算単打を上回っていた。まさに異能のロングヒッターというべき打者である。

 2位には最高出塁率を獲得した中島裕之(西武)。各項目に満遍なく良好な数字を並べてのランクインとなった。3位は初の首位打者を獲得した鉄平(楽天)が入り、1位~3位の打者はそれぞれ自己最高の順位となった。ベスト10のメンバーを見れば、5位に高い身体能力の糸井嘉男(日本ハム)が入ったほか、6位に15年目で初のランクインのサブロー。9位に2年目のターメル・スレッジ(日本ハム)と、目新しい顔ぶれのランキング構成になっている。
 
 日本ハムはベスト10に前述した糸井、スレッジに加え、稲葉篤紀もベスト10入り。ほかにも金子誠、高橋信二が3割をマークするなど打撃好調の選手が多く、チーム得点689はリーグ最多となった。ダルビッシュ有を中心としたディフェンス陣も優秀で失点をリーグ最少に抑え、高いチーム力での優勝となった。
 
 ベスト10圏外での注目選手は山崎武司(楽天)。この年は、不惑の本塁打王と呼ばれた門田博光よりも1歳上の41歳で39本塁打を記録。48本塁打の中村がいたためタイトルには届かなかったが、長打面で印象に残る活躍であった。
 

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