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バレンティンが60本塁打の歴代新記録を達成 セイバーメトリクスの視点で過去の打撃ベスト10を振り返ろう ~2013年編~

2020/12/19

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DELTA・道作



2013年のパ・リーグ

チーム    試合 勝率 得点 失点 得失点
楽天     144 .582 628 537  91
西武     144 .529 570 562  8
ロッテ    144 .521 572 584  -12
ソフトバンク 144 .514 660 562  98
オリックス  144 .475 513 529  -16
日本ハム   144 .451 534 604  -70
 

 
 2013年は24勝無敗の田中将大がチームをけん引し、楽天が初優勝を遂げたシーズンだ。リーグ全体の得点環境という面で見ると、低反発球の導入によって続いていた行き過ぎた投手優位にブレーキがかかった年でもある。

 この年は各指標に安定して優秀な数値を並べた浅村栄斗(西武)がwRAAリーグ首位となった。浅村は1打席あたりの得点貢献を表すwOBA(※3)、長打率でリーグの首位となった。打撃三冠では110打点で打点王を獲得している。二塁打が38本でリーグトップだったほか、本塁打もトップに4本差の27本。長打の頻度が高かったことが好成績につながった。もし二塁手としてwRAAトップとなれば、ダリル・スペンサー(阪急)、落合博満(ロッテ)以来の快挙だったが、この年の浅村は一塁手メインでの出場だった。ちなみに2リーグ制以降、2020年終了時点で唯一、遊撃手だけは現在まで1位を獲得した選手が存在しない。
 
 2位には長谷川勇也(ソフトバンク)。シュアなバッティングを武器とする打者で、前年までは2011年に8位を記録したのが最高の成績だった。この年は198本で最多安打を記録し打率.341で首位打者となったうえ、本塁打を4本から19本に増やすなど長打も激増。長打力をアップさせての躍進であった。
 
 3位以下のメンバーの顔触れを見ると、2011-12年の極端に投手優位な環境が変わって、パワー系打者が巻き返してきた印象である。ミチェル・アブレイユ(日本ハム)は31本で本塁打王を獲得。ほかの指標は振るわなかったが10位にランクインした。8位アンドリュー・ジョーンズ(楽天)は105四球での最多四球をマーク。打率は.243と低かったものの、出塁率は.391でトップ5に入った。ちなみにベスト10の打者で長打率が最も低かったのがジョーンズであった。MLB時代、強打者として名を馳せ、日本でも長打を狙うスタイルをとっていたことから考えると意外なことであった。
 
 ベスト10圏外での注目選手は、11位で惜しくもベスト10から漏れたエステバン・ヘルマン(西武)。長打は期待できない打者であったが.319の高打率に加え、85四球と多くの四球を奪ったことで出塁率は.418に到達。最高出塁率を獲得した。この年のパ・リーグで出塁率が4割に到達した打者は1人だけであるため、かなりの大差をつけたことになる。盗塁も40を数えており、強力なリードオフマンであった。
 

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