カナダ代表、元NPB選手揃えるも苦戦必至。MLB新旧スターが頼みの綱【WBC戦力分析】
2017/02/27
日本球界にも馴染みのある選手が多く、チームの中心となるMLB所属選手も在籍しているWBCカナダ代表。しかし、米国、ドミニカ共和国といった強豪が同グループに属しており、1次ラウンドでは苦戦を強いられることになりそうだ。
野手陣は、打率.302、34本、94打点を記録したアトランタ・ブレーブスのフレディー・フリーマン内野手、2006年にアメリカン・リーグMVPを受賞したジャスティン・モーノー内野手が中心となるだろう。フリーマンは20本前後を放つ中距離打者であったが、昨季は本塁打数が増加。代表戦でも打線の中心として機能することになるだろう。また、過去3回のWBCに全て出場しているモーノーは、ベテランとしてプレー以外の面での貢献も期待される。
しかし、フリーマン、モーノー以外は3A、独立リーグなどの選手が中心となり、層が薄い。MLBでも一流の投手が集うプールCを勝ち上がるためには、昨季横浜DeNAベイスターズに在籍していたジェイミー・ロマック内野手らの奮起が求められる。
投手陣も、野手陣同様に層が薄くなっている。特に、先発陣はMLB主力級の選手は1人もおらず、マイナーリーグの選手が中心となる。
先発陣は、昨季ミネソタ・ツインズに所属していたアンドリュー・アルバース投手、2013年に東京ヤクルトスワローズに所属していたクリス・ラルー投手などが中心となるだろう。先発、中継ぎも出来るアルバースはカナダ代表で数少ないMLB経験者だが、昨季は防御率6点台近くに終わり、現在はFAとなっている。ラルーもマイナーリーグでのプレーが中心となっており、MLB主力級を相手にした際にどのような投球を見せるかは未知数である。
一方、中継ぎ陣はある程度駒が揃っている。読売ジャイアンツのスコット・マシソン投手、昨年メジャーデビューを果たした元北海道日本ハムファイターズのダスティン・モルケン投手、昨季68登板のジョン・アックスフォード投手が中心となり、手薄な先発陣をカバーすることになるだろう。
また、投手陣では現在は引退状態にある大投手が参加予定だ。抑えながらサイ・ヤング賞を受賞した経験のあるエリック・ガニエ投手、通算132勝87セーブを記録したライアン・デンプスター投手の2人が参戦する。
引退後の2人がどれほどの力を発揮するかは未知数だが、少しでも往年の姿に近づければ、層の薄いチームの戦力となることは間違いない。