清宮だけじゃない! スラッガー豊作年の逸材は? ドラフト会議、注目選手タイプ別解剖<野手編>
プロ野球新人選択会議(ドラフト会議)が26日に開催される。プロ野球志望届を提出した高校・大学総勢211人に社会人・独立リーグ所属選手などを加えた候補選手が、12球団の指名を待つ。そのドラフト候補者をタイプ別に分けて紹介したい。今回は野手編だ。
2017/10/24
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スラッガータイプ
野手にはたくさんの適正な位置(Right Position)がある。すべての選手がホームランバッターになるのではなく、かといって、そこにリードオフマンタイプを加えればいいわけではない。走塁のスペシャリスト、つなぎの打者、守備職人、捕手など、どこで生きていようとも、チームにとっては大事なピースだ。
2017年はスラッガーの年といえるかもしれない。
高校通算111本塁打の清宮幸太郎(東京・早実)が高校生年代を引っ張り、安田尚憲(大阪・履正社)や今年夏の甲子園で大会記録を更新した中村奨成(広島・広陵)など、長打力のあるクリーンアップタイプが多くいた。
高校生はこの3人が1位候補として注目が集まるだろう。中村は捕手というポジションもあり、評価のされ方は違うが、“高校生スラッガービッグ3”はどの球団も欲しいはずだ。
ポジションに関係なくホームランを打てる打者が欲しいチームは清宮、三塁を守れる強打者なら安田、捕手に打撃を求めたいチームは中村を指名することになるだろう。それだけ、この3人の存在感は強烈だ。
この3人に続くスラッガーは高校生だと、村上宗隆(熊本・九州学院)が挙がる。清宮と同じ右投げ左打ちのスラッガーでありながら捕手としてのスキルも高い。清宮と中村とは違った魅力がある。
大学生は、岩見雅紀(慶応大)の評価が急上昇している。それもそのはず、秋のリーグ戦で4試合連続本塁打をかっ飛ばした。最終診断をしているスカウトの前で強烈なインパクトを与えた。スラッガーにありがちな引っ張るタイプだけではなく、力感なく逆方向にも打てる。
楠本泰史(東北福祉大)はミートのうまい打者でありながら長打が打てる。笠松悠哉(立教大)は大阪桐蔭高校時代からヒッチする癖が抜けないが、それでも結果を残してドラフト候補入り。短所を長所にするタイプと言える。
社会人にも同じタイプがいる。勝負強さで言うなら、菅野剛士(日立製作所)だ。外野手でスローイングも悪くない。大学時代から“由伸2世”をほしいままにしてきた谷田成吾(JX-ENEOS)も、菅野とともに2年前の指名漏れから屈辱をバネにしてきた選手だ。右打者では北川利生(日本通運)もパワフルなバッティングに注目だ。